貧困、カースト制度、(花嫁)持参金制度など、これらの原因で、育児を放棄し、子どもを捨て去る親が後を絶たない。
ここは、インド、タミル・ナドゥ州、チェンナイ市にある、キリスト教修道院内にある孤児院。
乳幼児から5歳位までの孤児を預かる。
経営は、寄付金で賄われている。
私は、寄付金の使途が不透明なところには、寄付をしない。
たとえ赤十字でも。(東北大震災の義援金。まだ結構な金額が届いていないと聞く。)
ここインドでは、寄付金集めのためだけに、一時的に子どもを集め、不要になったらまた捨てる偽善者もいるそうだ。(路上でふらふらしている子どもは、腕を切られ物乞いのダシに使われたり、闇の臓器売買のドナーとなってしまう事もあると言うから、非常に危険なのだ。)
施設の隅々まで見せて頂いたが、ここは、施設の清掃も、ボランティアスタッフの教育もきちんとされていて、支援するにふさわしい施設だった。
施設内には、生後間もない乳児が10名位、その他に5歳未満の子どもたちが50名程度いたのではないだろうか?
写真撮影は禁止。
理由は、写真撮影だけをして、寄付金を集めた偽善者が過去にいたからだそうだ。
考えてみると、この子達の将来を考えると、プライバシーの観点からも撮らない方が良い。
下の写真でも分るように、マザーテレサ系の施設。
さすがに、しっかりしている。
どのような理由で、ここに来たかはさまざま。
貧困のため、どうしようもなく、施設の入り口に置かれた子。
路上に捨てられていた子。
女子は、将来の持参金が大きいので、貧しい家庭は早々に育児を放棄し、捨てる事もあると言う。
特に、低位カーストの子は大変だ。
障害児。特に、女子の障害児。
多分、生活苦で親が子どもを置き去りにしたであろう子。
とにかく色々だ。
NPO法人チャルカ・ジャパンに寄付して頂いた方々の名簿とお預かりした支援金を、シスターに渡した後、私たちは、1時間ほどこの子らと遊んだ。
とても楽しかったが、帰りがけに名残惜しむ事も無く、さっさと部屋に戻る子どもたちを見て、少し悲しくなった。
私たちみたいに、お金を持って来て、少し遊んで、帰って行く人たちが沢山いて、慣れてしまっているのだな・・と。(実際、いろいろな国の方が訪問していた)
この施設は、チェンナイ国際空港のすぐ近くにある。
子どもたちが部屋に帰ったあと、空港を夕日が照らす。
少し、心に何かが残る。
時折、訪問者が来て、二度と会う事がない人と遊び、部屋に帰る。
私が、子どもだったら、楽しくないなぁ。
本気で向き合うと別れが悲しくなるから、どこか冷めた心で遊んでしまうように思う。
若い人たちにも、社会の裏側を見て、自分たちがいかに恵まれているかを感じる『スタディーツアー』なんかも考えてみよう、かな?
NPO法人チャルカ・ジャパン