今日、閉店間際にプロパンガス業者のIさんから電話が掛かってきた。
こうちゃんは、「すまんなぁ」と言いながら電話を切った。
そして私に向かってこう言った。
「あれ?Iさんの会社はスタンドもやってるのに、何でそこへ言わへんねん?」
*****
Iさんからの電話の内容は、
プロパンガスのお客さん(お婆さん)から「灯油の配達をしてくれるところはないか?」と相談を受けたらしく、
Iさんの実家へ灯油の配達をしている当店へ
「○○町なんだけど、ポリ1つか2つ灯油を配達してやってもらえないだろうか?」、というものでした。
Iさんの勤めている会社はプロパンガスの他にガソリンスタンドの経営もしている大きな会社です。
私はこうちゃんに言いました。
「店舗を順次セルフに改装していってるようなスタンドやで、ウチでもよう行かんのに、あそこがポリ1つや2つで行くわけがないやん」
(え?地域密着でやってるんじゃないの?地域へのエネルギー供給を担っている自負があるんじゃないの?)と思われた方・・・
2009年11月11日の記事、 「灯油」を読んでください。
私たちだって行けるものなら行ってあげたいと思っていますよ。
でも無理なんです。
○○町には昔は灯油の配達先が何軒もありました。
でも新興住宅地であるその地区には灯油の巡回業者がやってくるようになりました。
その値段と比べて「高い」と文句を言われ、
そのうちに巡回業者の巡回が始まるシーズン前と、シーズンが終わって巡回業者が来なくなってから暖かくなるまでの間、或いは週に1回のその時に買いそびれた時だけ、当店にお声が掛かるようになりました。
当時は依頼があれば配達に行ってました。
「やっぱりアンタのトコ、高いね」、と嫌味を言われながらも。
でも、というか、だから、と言うか・・・
そういうお宅からの配達依頼は数年前に全てお断りすることにしました。
現在その地区で灯油の配達先は1軒も残っていません。
今回、Iさんに相談された方がどのような方かは分かりませんが、今の当店には新規の小口配達を引き受けてあげられるだけの余力がありません。
規制緩和により、一部の消費者は安く油を購入できるようになりましたが、その陰で「灯油難民」が生まれました。
高齢化と、そして又、今後もガソリンスタンドの数が減り続けるようなら、その数はもっと増えることになるのではないでしょうか。
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初めてご訪問くださった方へ
このブログの現在一番の目的はガソリンスタンド(昔ながらの)が置かれている現状を知ってもらうことです。
ガソリンスタンドカテゴリーの記事を全て読んで頂きたいのですが、あまり一般の方が興味を引く話題でもありませんので、
規制緩和以降のガソリンスタンドが置かれた現状を予備ブログ「masumi_iのブログ」にアップしました。
是非ご一読下さい。
(※今後全ての記事の最後にこの文言を付けます)
「業転玉がSS業界から消え去れば、市況は健全化するはず」
「業転玉のお蔭で黒字にすることができた」
業転玉の購入はもはや商慣習になっているが、冒頭の有力特約店社長の言葉は相反している。
業転玉はSS業界にいったい何をもたらしているのかー。
<11月8日 燃料油脂新聞より>
系列販売店のなかにはPB-SSについて「130円台後半の看板では2-3円のマージンしかない」と思っている人もいるかも知れないが、実際は違う。
130円台後半の実売なら、10円近いマージンがあるはず。
それで数百キロリットルも売っており、PB-SSの一人勝ちだ。
百キロスタンド店主は、
「販売数量の半分は系列仕切りより6円前後安い業転玉で、
6円×50キロだから30万円くらいは仕入れで利益を出している。
売価は系列と同じ設定にしている。
しかし矛盾するが、業転玉がなくなればSS業界は必ず良くなるはず。
安値看板は単純に仕切り格差だけだと考えている」
とある店主は、
「元売サインポールを掲げながら業転玉を取る事に対して心底納得できない。
仲間内では業転玉を取らないことの方が不思議がられる。
元売はきちんとした、はっきりした方針を打ち出してほしい」
外資系代理店店主は、
「納得できない気持ちを自社の広告の中であえて表現した。
当店は一度も業転ガソリンを仕入れて販売したことはありません」
*****
石油業界以外ではあらゆる小売店でPB商品が浸透しており、メーカーが自社のナショナルブランドとは別にPB商品を戦略的に製造している。
そもそもSS業者の元売サインポールとは「ショップブランド」なのか「プロダクトブランド」なのか定義が明らかになっていない。
CVS(コンビニエンスストア)業界では、加盟店が本部と違う卸売業者から商品を仕入れることは一切できない。
元売は業転玉の立ち位置をはっきり示すことが求められている。
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業界内でだけかも知れませんが、ガソリンスタンドとコンビニはよく並んで例えられます。
コンビニでは缶コーヒー1本でも丁寧に「ありがとうございました」とやっているのに、ガソリンスタンドでは少量の定額給油客に差別的な接客をしている。
コンビニを見習え、みたいな(?)
コンビニでは、「お客さんが自ら商品を手にとってレジへ並んで買ってくれる」
フルのガソリンスタンドでは、お客さんは何もしなくても良い。店側が全てのサービスを行う。
先日の業界紙に300円や500円分といった定額給油(数量にすれば3リッターに満たない)だが、定期的に毎回来店してくれるので窓拭きを行っているという販売店の話が載っていました。
採算が合わないのも承知で、お客さんは「いいよ」と言ってくれているのに。
私は、「馬鹿なことはやめなさい」と言ってあげたい。
3リッターでは30円前後しかマージンがありません。30円で何をしてるんですか?
しかもお客さんの「いいよ」という好意を無にしている。それが一番いけない。
お客さんが「いいよ」と言ってくれたら、喜んで「ありがとうございます」と言ってあげなくては。
その方がお客さんも喜んでくれるのに。
あ。またハナシが逸れてる(汗)
コンビニとガソリンスタンドは全然違う。
並んで例えるなんて無意味です。
コンビニでは、加盟店が本部と違う卸売業者から商品を仕入れることは一切できない。
そして、お店によって値段が違うなんてこともない。
これこそが、「同じ土俵での競争」なのだと思います。
元売は系列販売店には“ブランド”料を要求しながら、業転に同じ商品を流す。
しかも系列販売店がブランド料の含まれていない業転玉を仕入れていても放置している。
※業転格差は縮まるどころか広がる一方です。(現在13円!)
元売は、一方ではブランド料を要求しながら、一方では自らブランド価値を捨てているのだ。
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