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TVドラマ 『ダブルフェイス「偽装警察編」』

2013-01-10 | 映画



ダブルフェイスが「インファナル・アフェア」のリメイクだと知っていたら1作目の「潜入捜査編」も見たのに、残念。


少し前になるが、香港ノワールの「男たちの挽歌」三部作にしびれた(笑)弟役のレスリー・チャンは若くして亡くなったが、兄役のチョウ・ユンファはハリウッドまで出る俳優になった。このころから、香港の映画は面白いと思ってきた、あの監督はジョン・ウーだったし。

そして何年か前に「インファナル・アフェア」三部作を見た。どういうわけか、DVDも含めて三度も見てしまったが、見るたびに緊張感、、東洋的な死生観、何かしら漂ううら寂しさがすばらしかった。

リメイク版のハリウッド映画「ディパーテッド」もレオナルド・ディカプリオ,マット・デイモン,ジャック・ニコルソンなど錚々たる俳優陣だったが、やはりアメリカ的な露悪さ、警官、ヤクザともに下品で、言葉も汚く、アカデミー賞を受けたことが不思議だった。話の設定の面白さ、運命の悲哀は判っても、現在も東洋文化の底にある思想はアメリカでは理解できないのかもしれないと感じた。


さて肝心の日本版『ダブルフェイス「偽装警察編」』、面白かった。先の「潜入捜査編」はそのうち探して見よう。

「潜入捜査編」のダイジェスト版があったので、「インファナル・アフェア」にとても忠実に作られているとわかった。

モールス信号で麻薬取引場所を内通する、オープンすぐの緊張する見せ場も、劇場内で情報交換する名場面も落とさずに見せてくれていた。

そして「偽装警察編」では、長い潜入生活で、自分の生きる場所(スタンス)が曖昧になりはじめ、少し精神を病んできているヤクザ(西島秀俊)、警察に潜入して、順調に昇進している警官(香川照之)、ただ一人、潜入を知っている警視の死で、身分を回復をする機会が見失われそうな、生きる目的の瀬戸際に追い詰められたヤクザ。今回は、ヤクザ組織に潜入した警官(西島秀俊)にスポットを当て、闇の中から這い出そうとする姿を描く。
警官(香川照之)の強い精神力を前にして、多少人間的な弱さを見せるヤクザの、対象的な二人の姿が、緊張感のある、実にいいドラマになっていた。最後のシーンは、尾を引く。

私にしては珍しくよく覚えていて、精神科医のキャラクターの違いも気づいたが、ヤクザとの絡み方は少し違ってあくがなくあっさりしていただけに、和久井映見、蒼井優、らのさわやかさもよかった。また


西島秀俊の作品は「あすなろ白書、あの時は死んでしまったけれど(笑)「DOLLS」「大奥」など随分沢山ドラマや映画を見た。ミニシアター系もよかった。最近の「ストローベリーナイト」で幾分痩せて線が細い気がしたが、今回の「ダブルフェイス」では筋肉質のヤクザッポイ体形で、熱演だった。

香川照之についてはもう名優の域に入るので、言葉がないが、今公演中の歌舞伎に行くのかと思ったら、まだ映画にも出るようでこれからも厚みのあるいい作品が見られることだろう。
もし三部が作られるなら今度はヤクザの身分で警官に成りすましている自分との戦い、善と悪の狭間で悩む難しい役になる。

香港版では三部作だったが、この後の日本版は出来るのだろうか。
警官役はアンディ・ラウで、個人的にはなんだか少し違和感があったが(トニー・レオンのファンなので)それでも印象に残るような壮絶な演技だった。

日本版にも期待したい。

久しぶりに骨太のいいドラマを見た。内容を知らないのでオンタイムでなく録画で見たのはなんだか気が付けばしまった、チェって感じだけど(^^)




過去に書いていた映画の感想を後日編集したものです。
「インファナル・アフエア」
http://www.sora-m.jp/mteiga/cat23/




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