母国では「さっぱり」、なぜか日本でだけ人気に火がつく―80~90年代前半の映画界には、そういうひとが多い。
アクション映画『コマンドー』(85)で、シュワ氏の娘を演じたアリッサ・ミラノ。
日本でだけ人気者になったので、日本「限定で」歌手デビューを果たし、日本「限定で」パスタのCMなどに出演する。
たいした出演作もない(失礼!)のに、なぜか日本で人気になったシンシア・ギブ。
かくいう自分もファンになったが、繰り返すが「たいした出演作もない」ので、なんとか彼女を特集したい『ロードショー』や『スクリーン』は必死に「チョイ役の、チョイチョイ役」情報をかき集めていた。
近年は目覚しい活躍を見せるも、少女時代は母国では女優として認識されず、日本でだけもてはやされたジェニファー・コネリー。
・・・ということは、やっぱり日本はロリータの国、、、なのかもしれないねぇ!!
そしてグロリア・イップもまた、日本でだけ人気となった「謎のひと」だった。
香港生まれの41歳、自分のひとつ上で現在は実業家として活躍しているという。
88年、日本の漫画を実写化した「クソクダラネェ」映画『孔雀王』でアシュラを可愛く演じる。
映画は「クソクダラネェ」出来だったものの、グロリアはひたすら可愛かった。
やっぱり日本はロリータの国、グロリアは瞬く間に『ロードショー』や『スクリーン』の読者投票1位となったのである。
もちろん自分も投票した。
アリッサ同様に歌手デビューも果たし、タイトルが完全に日本向けのアルバム『原宿』だって買った。(超がつく下手さ!!笑)
89年―成龍ジャッキーは彼女が日本で大人気であることを知り、自作『奇蹟』にヒロインとして起用することを決めた。
さすがは成龍、日本のマーケットが大事であることを把握する、最良のチョイスだったと思う。
91年―『ロードショー』を発行する集英社が「グロリア・イップ、ファンの集い」を企画、なんとなく応募したら、なんとなく当選してしまった。
当選枠が50人であったから、なかなかの倍率だったと思う。
場所は原宿。
群馬に住むキッタネー映画少年(まだ小僧と名乗れるほど知識を持ち合わせていなかった)が、きらきらした町に行くのである。
そのための洋服も買わねばならんし、どのくらい彼女に接近出来るか分からなかったけれど、ファンレターも書かなければならない。
広東語は無理だ、簡単な英語でいいだろう・・・とか。
そう、このファンレターは郵送ではなく手渡しなのだった。
というわけで、下書きを書いた。
まず日本語で。
そのあと、辞書を片手に英語化に取りかかる。
3つ上のねぃちゃんは米国留学経験者だ、聞けばすぐ答えてくれるだろうが、いいや、こういうのは自力でやって意味がある―というのは嘘だね、単に恥ずかしかっただけだろう。
その下書きの「切れ端」が、学生時代の日記帳に挟まっていた。
「CD、全部持ってます。」
「視聴用と飾っておく用に2枚ずつ持ってます。」
「あなたを拝むためだけに、『孔雀王』や『奇蹟』を繰り返し鑑賞しています。」
このあたりまではフツーだが、
「透きとおる肌を見ていると、気がヘンになりそうです。」
「もうほとんど恋をしているのだと思います。」
とか、どうかと思うよね。
あくまでも下書きであり、実際に書いたものはどうだったのか、いまでは思い出せないけれども。
はっきりいえば、この時期、自分は毎晩のようにグロリアをおかずにしていた。
ひょっとしたらファンレターにも、ザーメン臭が紛れ込んでいた? かもしれない。
でも彼女はそれを受け取ったとき、「イカくさいわ」とはいわず(当たり前じゃねぇか、オメーは馬鹿か)、笑顔で、たどたどしい日本語で「ありがとう」と答えてくれた。
その晩、彼女を「二度」おかずにしたことは、いうまでもないだろう。
おわり。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『CAP or HAT?』
アクション映画『コマンドー』(85)で、シュワ氏の娘を演じたアリッサ・ミラノ。
日本でだけ人気者になったので、日本「限定で」歌手デビューを果たし、日本「限定で」パスタのCMなどに出演する。
たいした出演作もない(失礼!)のに、なぜか日本で人気になったシンシア・ギブ。
かくいう自分もファンになったが、繰り返すが「たいした出演作もない」ので、なんとか彼女を特集したい『ロードショー』や『スクリーン』は必死に「チョイ役の、チョイチョイ役」情報をかき集めていた。
近年は目覚しい活躍を見せるも、少女時代は母国では女優として認識されず、日本でだけもてはやされたジェニファー・コネリー。
・・・ということは、やっぱり日本はロリータの国、、、なのかもしれないねぇ!!
そしてグロリア・イップもまた、日本でだけ人気となった「謎のひと」だった。
香港生まれの41歳、自分のひとつ上で現在は実業家として活躍しているという。
88年、日本の漫画を実写化した「クソクダラネェ」映画『孔雀王』でアシュラを可愛く演じる。
映画は「クソクダラネェ」出来だったものの、グロリアはひたすら可愛かった。
やっぱり日本はロリータの国、グロリアは瞬く間に『ロードショー』や『スクリーン』の読者投票1位となったのである。
もちろん自分も投票した。
アリッサ同様に歌手デビューも果たし、タイトルが完全に日本向けのアルバム『原宿』だって買った。(超がつく下手さ!!笑)
89年―成龍ジャッキーは彼女が日本で大人気であることを知り、自作『奇蹟』にヒロインとして起用することを決めた。
さすがは成龍、日本のマーケットが大事であることを把握する、最良のチョイスだったと思う。
91年―『ロードショー』を発行する集英社が「グロリア・イップ、ファンの集い」を企画、なんとなく応募したら、なんとなく当選してしまった。
当選枠が50人であったから、なかなかの倍率だったと思う。
場所は原宿。
群馬に住むキッタネー映画少年(まだ小僧と名乗れるほど知識を持ち合わせていなかった)が、きらきらした町に行くのである。
そのための洋服も買わねばならんし、どのくらい彼女に接近出来るか分からなかったけれど、ファンレターも書かなければならない。
広東語は無理だ、簡単な英語でいいだろう・・・とか。
そう、このファンレターは郵送ではなく手渡しなのだった。
というわけで、下書きを書いた。
まず日本語で。
そのあと、辞書を片手に英語化に取りかかる。
3つ上のねぃちゃんは米国留学経験者だ、聞けばすぐ答えてくれるだろうが、いいや、こういうのは自力でやって意味がある―というのは嘘だね、単に恥ずかしかっただけだろう。
その下書きの「切れ端」が、学生時代の日記帳に挟まっていた。
「CD、全部持ってます。」
「視聴用と飾っておく用に2枚ずつ持ってます。」
「あなたを拝むためだけに、『孔雀王』や『奇蹟』を繰り返し鑑賞しています。」
このあたりまではフツーだが、
「透きとおる肌を見ていると、気がヘンになりそうです。」
「もうほとんど恋をしているのだと思います。」
とか、どうかと思うよね。
あくまでも下書きであり、実際に書いたものはどうだったのか、いまでは思い出せないけれども。
はっきりいえば、この時期、自分は毎晩のようにグロリアをおかずにしていた。
ひょっとしたらファンレターにも、ザーメン臭が紛れ込んでいた? かもしれない。
でも彼女はそれを受け取ったとき、「イカくさいわ」とはいわず(当たり前じゃねぇか、オメーは馬鹿か)、笑顔で、たどたどしい日本語で「ありがとう」と答えてくれた。
その晩、彼女を「二度」おかずにしたことは、いうまでもないだろう。
おわり。
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明日のコラムは・・・
『CAP or HAT?』