Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(421)

2022-07-19 00:10:00 | コラム
いん「び」→「び」りーわいるだー

ストーリーテリング(厳密にいえばちがうけど、本稿では「作劇」の意)が巧いといえば・・・
橋本忍あたりが関わっていたころの黒澤映画、そしてビリー・ワイルダー。

そう、自分が嫌いな三谷幸喜が笑 師と仰ぐ脚本家・映画監督。


新聞記者からスタートさせたキャリアが効いているのか、21世紀を生きる我々が観ても巧いなぁ!と思わせるほど語り口が完璧。

結局、重要なのは物語の内容でなく、それをどう語るのか・なにを語るのか・なにを語らないのかの「選択のセンスと技術」であると思うのです。

面白い物語でも、才能のないひとが紡ぐと面白くなくなったり。
その逆に、つまらない物語なのに不思議と面白かったり。

ビリー・ワイルダーの映画を観れば、それがどういうことか分かります。

詳しい経歴はウィキに任せるとして、ここでは5つの代表作を紹介しておきましょう。
すべて有名な作品だけどね!!


『情婦』(58)

これに関しては事前に情報を入れないほうが楽しめるし驚けるかな。

法廷劇のお手本のような傑作。



『サンセット大通り』(50)

50年代を代表するフィルムノワール。

ハリウッドの光と影をきっちり描いたバックステージ物であり、サイレントからトーキーへと移行する時代に乗り切れなかった「スターの性」を描いた悲劇でもある。

主演グロリア・スワンソンの狂気、そして哀切・・・。



『お熱いのがお好き』(59)

モンロー、トニー・カーティス、ジャック・レモン共演のコメディ。

この時代はカラーも可能だったのに、なぜモノクロームで撮ったのか。

それはトニー&ジャックの女装を「けばけばしく」見せたくなかったから!!



『失われた週末』(45)

ワイルダーのなかで深刻度が最も高い問題作。

アル中の主人公が自死を決意し、彷徨う日々を描いた。


『麗しのサブリナ』(54)

ボギー、ヘプバーン共演のロマンス映画。

腹が立つほど練られた描写がつづき、創り手を目指すものとしてじつは嘆息しか出てこない笑

あまりよいヘプバーンのファンではないと自覚しているが、この映画の彼女にはやられてしまうよ!!



あすのしりとりは・・・
びりーわいる「だー」→「だー」れんあろのふすきー。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(422)』
コメント
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