UNA GIORNATA ORDINARIA

こんなわたしのありふれた一日

アルバイト。

2013年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム

若いころ、まだ夫が現役のセールスマンだったとき、

展示会用のダイレクトメールの宛名書きを引き受けていたものだ。

三百枚以上あっても、一枚、一枚、

「どうか買ってくださいね」と

心を込めて書いた。

このたび、夫から宛名書きを頼まれたが、

その枚数は1500枚、

それも、7日の夜持って帰った封書を

11日朝には取りに来るという。

これがまたナントカイリョウホウジンなんて、

字画数の多い宛先で、

7日の夜はとりあえず夜12時過ぎまでやって、

翌朝8日は夫を送り出して、8時から書き始めた。

書いても書いてもいっこうに減らない封筒たちで、

だんだん追い詰められていく。

お昼はパンを片手に、そのまま夜に突入、

途中休憩程度につまむお菓子で栄養補給、お風呂は早々に済ませ、

この夜も12時半で終了。

右手が棒のようになり、左の頭から首が痺れた状態。

以前は事務の仕事で書くのは慣れっこ、

字もスラスラ書けていたのが、

長年のブランクと少々老眼と、パソコン慣れで

漢字が書けない。

9日も起床後、7時半から取り掛かる。

あっという間に昼。

時々、心配した夫からの電話は我に返る瞬間と休憩。

ガンガン書かないと、明日の午前中は英会話で書けない。

あせる、あせる、サインペンは先が潰れすぐに書けなくなる。

晩ご飯の支度をしなくていいからいいものの、

書けなかったらどうしようかという焦り。

締切に追われた作家や漫画家の気持ちはこんなんじゃないのか、

なんてストイックな気分。

ほぼ「飲まず食わず」状態だ。

そして夜、12時半まで頑張った。

昨日以上に手首が回らない。

腱鞘炎にでもなるんじゃないだろうか?

相変わらず右側の首が痛い。

ずっと同じ姿勢だと体が凝ってしまう。

翌朝10日9時半、家を出る時間まで書き、

午前中はそれを忘れて英会話。

お昼1時に家に戻ってからまたひたすら書く。

だんだん慣れてきて書くスピードも出て、

気が付けば、封筒が無くなっていた。

10日の夕方5時には終了、やったぜ1500枚!

このバイト料はほぼボランティア同然の一枚10円。

しかし、今日これを渡した時の爽快感といったら、

仕事はお金には代えられない。