僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

プールサイドストーリー…③

2017年01月23日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

「あの~、ひょっとして…」

声をかけると、おばさん達が一斉にユキオを見る。

「さいとうゆきさんってお名前なんですか?」
「はい、私はサイトウですけど…」

「僕はサイトウユキオって名前です。」
「え、ほんと?わあっ同じ名前なんだって。」

「一字違いかもですね。」

「サイトウは斉藤でしょう?ユキオって…」
「友達の友に紀元前の紀、それにオットです。」

「ええ~っ、それって全部一緒ですよ~、夫が子になっただけ、嘘みたい。」
「びっくりしたぁ、今まで生きてきて初めてですよ同じ名前の人。
しかも女の人で」

珍しい偶然に、いっぺんで意気投合してしまった。


どこから来ているのか、いつ頃から通っているのか、
年はいくつか、結婚してるのか、仕事は何か、
プールの流れに沿って歩きながらおしゃべりをするのだ。


「そろそろ泳ぎますか」とコースに戻ったゆきさんを見てびっくり。

ものすごくきれいなフォーム、スムーズで理想的な泳ぎ、
アラフォーとはとても思えない。

ゆきさんはクロールでコースを4往復してから歩きコースに戻ってきた。

イラスト=anysnapshot.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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