僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

PSS…⑩

2017年01月30日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

男はユキオの顔を見つめ、満面の笑顔で答えた

「まぁそこそこな」
「いいなぁ、湘南ボーイ。じゃぁ夜もけっこう活躍したんでしょう?」

「結構飲み歩いたかな、君は酒は何飲むの?ビール?」
「僕は何でも好きです、その時の気分で日本酒も」

「そうか、じゃぁ今度飲みに行こう」
「はい、ごちそうさまです」

きっと若い頃の話を聞いてくれる相手が欲しかったのだろう
ユキオの肩を叩いて何度も自分で頷いている。

 

「俺はバスでこう循環してくるんだけど、君はどこから来てるの?
「はい、僕は近くなんで歩いて来ます」

「そうか、じゃぁ今度飲もう」
「はい、お願いします、湘南ボーイさん」


多分実現はしないだろうと話を合わせたユキオだが、
その後果たされない約束を何度も交わすことになるのだ。

これから泳ぐから、ちょっと見てくれよ、どこが悪いか教えてくれ」
「いやぁ僕なんかじゃ分からないですよ、僕はヘタだし」

「いやいいんだよ、人の見てどこが悪いか見つけるのは自分のためになるんだ。
自分だって人に言ってもらうと自分で分からないところに気づくからね」
「大丈夫ですよ、先輩はきれいに泳いでます、上手です」

 

ゴーグルをかけ直して完泳コースに入っていく湘南ボーを見送って、
ゆきさんを探す。うまくいった合図に手を振り指でokマークを作った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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