ハヤトウリのふるさとは中央アメリカ。
長年多摩川のカワラノギクを研究し、保全活動に取り組んでこられた倉本宣さん(明治大学の先生)を中心に今年2月『ウラギクハンドブック』が発行されました。
ウラギクって、知っていますか。私はこの『ウラギクハンドブック』を読むまで知りませんでした。(読んだことがあっても覚えていない?)
ウラギクは 大ぶりの美しい野菊で、干潟に生えています。漢字だときっと「浦菊」ですね。日本だけでなくヨーロッパからアジアにかけて分布します。
戦前まで日本の河川には石だらけの礫河原(れきかわら)が、河口には干潟が広がっていました。そうした河原と干潟にそだつ代表的な野菊がカワラノギクとウラギクです。現在河原は砂利採取や治水工事など、干潟は埋め立てや護岸工事などの影響で 礫河原も干潟も激減し、カワラノギクもウラギクも絶滅が心配されるまでに減ってしまいました。多摩川のカワラノギクは生育環境を保全するために倉本さんたちが 市民・研究者・行政で協力して活動してきたのですが、2019年の台風による出水で自生のカワラノギクは絶滅しました。(二子玉川ライズの屋上にあるエコミュージアムには多摩川の礫河原に近い流れと石ころだらけの生育環境がつくられ、そこには多摩川に自生していた種子から育ったカワラノギクが生育しています。(2019年11月05日)
『ハンドブック』にはウラギクの生態、現在の分布、種子散布、生育地、保全活動などをイギリスのテムズ川のウラギクとの比較もまじえて、現在の研究で分かっていることが図と写真でまとめられています。
70年前には ウラギクの種子が飛んできて洗濯物にくっついて困ったそうです。その時代の人と自然の関係はもう戻ってこない、いずれウラギクもカワラノギクも日本の自然からなくなってしまうだろうと私たちは思うのではないでしょうか。
でも『ハンドブック』には「その時代に人と自然の関係を戻したいと考えています」とあります。
イギリスでは全面的な自然の再生が行われるようになっているそうです。イギリス人の海岸技術者Timさんは「東京湾のグレーな護岸をグリーンに変えよう と提案しています。目指すのは「埋立地を全面的に自然再生する時代」です。
そのための「提言」「日曜の生態学-日曜の生態学者になろう」と私たちでも生態学にそってできる調査や実験を具体的にリストアップしてあります。
わずか14ページですが、種子が洗濯物にくっいて困るほどウラギクが東京湾の干潟や埋立地に生える時代は夢ではないとわくわくさせてくれた『ウラギクハンドブック』です。
『ウラギクハンドブック』発行 明治大学重点研究「生物多様性と防災を目的とする多摩川河川空間再編のための基礎的研究』(代表 倉本宣)
(裏表紙)
1週間以上たってしまいましたが、夏のように暑かった14日 昔の同僚たちとイチリンソウを見に行きました。
行く前にはまだ咲いていないのでは?あるいは咲き終わっているのでは?と心配でしたが、満開より少し手前のイチリンソウを見ることができました。
イチリンソウはまっすぐに伸びた花茎の先に直径3~4センチもある、おおぶりの花を一輪だけつけます。
花の表は真っ白で裏側が紫色を帯びたピンク色をして、これは清楚でやさしげなイチリンソウの魅力のひとつです。 (詳しくは ここのサイト(花さんぽ)を参照してください。)
写っていないひともいて、参加者8人でした。
今年は開花がおくれた染井吉野もすっかり咲き終わり、八重桜が見頃でした。
これは緑色の花の御黄桜。ギョイコウと読み、花はだんだん黄色く変化してゆくのだそうです。
ネットに、桜の中でも咲くのがもっとも遅く、この桜が咲き終わると初夏になるとありました。
毎日ジムに通う人、地域のバトミントンの選手、植物観察によくいっているなどなど行動的な友人たちのなか、
日頃運動不足の私は急な暑さのなか歩き通しで、すっかり疲れて帰宅しました。