marcoの手帖

永遠の命への脱出と前進〔与えられた人生の宿題〕

世界のベストセラーを読む(271回目)「神の乞食」(M・ルター)

2017-02-24 22:26:33 | 日記
 掲題の文言は、M・ルターが死の二日前に自らをそのように例えたて紙片に残したとれる言葉である。それほどまでに聖書の真理を求めたということなのだそうだ。彼の訳した聖書は、標準的なよく訳された聖書として今も一般に読まれている。僕も持っています。
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◆彼は聖書の翻訳者であった。聖書を原典から当時のザクセン宮廷のドイツ語に生き生きと訳すことによって、一方では彼は、彼以前のドイツ訳聖書を凌駕したし、他方では、当時まだ統一されていなかったドイツ語を、近代語として統一するのに大きな貢献をするという副次的な結果も生んだ。彼は、聖書翻訳の出版に際して序文を付した。旧約聖書、新約聖書への序文ばかりでなく、それに含まれる各文書への序文をも書いたのである。特徴とすべきは、その際たえず、聖書全巻の中心となる流れ、神の救いへの注目の姿勢をとり続けることと、その流れの中で、各文書の特質を明らかにするという態度である 
聖書の中心はイエス・キリストであることが、これらの序文からまことに明らかにされる。
 教皇に代表される教会の権威中心から、聖書中心に変わるということが主張されて、かえってこんどは、次第に聖書が「紙の教皇」とされる傾向が生じる中で、「敵が聖書をもち出して私を攻撃するなら、私は聖書のかわりにイエス・キリストをもち出す」という大胆さと自由が、これらの序文にも随所に見られるのである。
(世界の思想家5 「ルター」徳善義和編 平凡社 S51.12.15初版 p32)・・・ Ω