暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

立礼の茶事・・・濃茶は船室で

2009年06月27日 | 茶事
ぎぼうし、洋種山ごぼう、突抜き忍冬を
ひさご籠に活けました。

午後になって風が強くなってきましたので
後座はデッキから船室へ移っていただきました。

点茶盤に織部の燭台を置き(船室は暗いので・・)、
蝋燭の揺らめきの中一心に濃茶を練ります。

濃茶は「涼翆の雫」。
翆晶庵のオリジナルで、静岡産の無農薬の茶です。
「大変おいしゅうございます」
のお言葉に心がほぐれます。

湯相火相がよろしいので後炭を略し
薄茶をさしあげました。
「薄茶は?」
「・・・・・・・」
茶銘がでてきません。すると
「下船まで時間がありますから、ごゆっくりどうぞ」
とユーモラスなお正客さま。

しばらくして、やっと思い出しました。
「翆晶庵の詰で、彩晶の輝きでございます」
下船前に思い出せて良かったです。
最近ぽっと忘れる事が多くなりました・・・。

茶事修行中ですが、つくづく茶事は生き物で
なかなか筋書き通りには参りません。
そこが茶事の面白いところと、最近やっと
思うようになりました。

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