ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

佐久荒船高原ではウバユリが咲き始めました

2010年08月03日 | 佐久荒船高原便り
 長野県佐久市郊外にある佐久荒船高原ではウバユリが咲き始めました。

 長野県と群馬県の県境である内山峠近くの佐久荒船高原ではウバユリが森の中で密かに咲いていますき。
標高が約1100メートルあって、上昇気流による朝霧などが出るため、朝晩の気温は摂氏26度と涼しいのです。その影響で水量が豊かな森の緑陰の中では、ウバユリが咲き始めています。1本当たりに5~6個程度の細長いラッパ状の花を咲かせています。薄い緑色の花からはいい香りがします。



  森林組合の方々が下草刈りをする際には、ウバユリなどを傷つけないように、下草刈りしています。このため、下草刈りした場所では、背丈1メートルぐらいのウバユリがすくっと立っている姿は目立ちます。時々、1本当たりに10数個の花を持つウバユリがあります。見かけは同じですが、オオウバユリという種類のようです。ウバユリが咲き始めると、盛夏を迎え、お盆が近づいていることを知らせる風物になっています。

 面白いのは、群生している木陰の場所ごとに開花時期がずれていることです。蕾の状態のグループ、開花中のグループと、その場所の陽当たりや木陰の具合いなどで、咲く時期が決まるようです。少し離れた個所でも開花時期が異なります。しかも、前年にたくさん咲いた場所が必ずしも今年も多数群生するとは限らないのです。ウバユリの自生地は少しずつ移動して行きます。ウバユリは晩秋に多数の鱗片状の種をまき散らします。この種が地上で無事、発芽する確率はあまり高くないようです。

 ユリ科は夏に咲くものが多いようです。佐久荒船高原では、コオニユリも咲き始めました。以前は、コオニユリは草原や森の縁(ふち)などのあちこちで咲いていましたが、最近はその姿を減らしています。



 今回も、草原で咲き出したコオニユリの中では、蕾の部分が食べられているものがいくつかありました。シカの仕業のような気がしますが、食べているところを見たことはありません。また、観光地としてアピールするために、草原部分に9月に咲くコスモスを植えています。この結果、コオニユリの自生地が減っていると思います。

 佐久荒船高原の内山牧場内に設けられた人工池の周囲では、チダケサシやアカバナシモツケが咲き始めました。群生している個所は、お花畑を感じさせます。白ぽい花のチダケサシとピンク色の花のアカバナシモツケの組み合わせは、なかなか美しいコントラストです。



 この人工池周辺の野草の主役は、これからはアサマフウロ(浅間風露)です。現在はポツポツと1輪ずつ咲いていますが、もうすぐ濃いピンクの花が多数咲きます。なかなか華やかです。



 他の場所では、例えば八島湿原では「ハクサンフウロ」と呼ばれていますが、荒船高原では「アサマフウロ」と名付けられています。同じ花なのか、本質的な違いがあるのかないのかは分かりません。どちらも可憐な美しい野草です。

 佐久荒船高原では、朝晩を中心にセミのヒグラシが鳴いています。朝晩のヒグラシを聞きながら、夕暮れの落ち着いた時間の中で、たまった本などを読んでいます(隠遁している気分が少しだけ味わえます)。夏休みらしい充電を考えています。日ごろ忙しいからこそ、一度立ち止まって人生設計を再考することも重要な作業です。時々、夕立が降ります。最近の夕立は激しい豪雨です。雷も激しいです。迫り来る日本社会の大変動を予感させるとは、こじつけでしょうか。日本は産業構造をどう変えるか、イノベーション創出による成長戦略は可能かなどの難問を解くことが不可欠です。日本の社会がどう変わろうとも、変化する部分と不易な部分の両方を考え続けたいと、ぼんやり思っています。