ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

携帯電話機を「買うか買わぬか思案中」です

2010年08月04日 | イノベーション
 近く発売される携帯電話機を買うかどうか思案中です。
 2010年8月6日にNECカシオモバイルコミュニケーションズはdocomo PROシリーズとして新機種「N-08B」を発売します。この携帯電話機を買うかどうか、かなり迷っています。


 主要パソコンユーザー誌「日経PC21」の人気コラム「戸田覚の『買うか買わぬか思案中』」のように、あれこれ迷い続けています。

 携帯電話機「N-08B」を用いて、どこでもインターネットにつながる“ユビキタス” (Ubiquitous) を実現させたいと考えています。少し前では考えられなかったことです。日本全国で「どこでもインターネット」が可能になれば、これは小さなイノベーションです。

 “日本全国”とは、ある程度の山間(やまあい)とか、新幹線で移動中とかを含むという意味です。誤解しやすいのは「東海道新幹線ではインターネットにつながる」のに、何を今さらというご指摘です。東海道新幹線以外でも同じようにつながるかどうかは、あまり試みられていません。いろいろな新幹線に乗車中にメールが受信・送信できるだけでも便利です。

 現在、こんなことができる携帯電話機は実はかなり限られています。電機製品の量販店の携帯電話機売り場にいる販売担当者の多くは、この機能のことを知りません。たまに知っている担当者がいても、無線LANの子機としての使い方の方です。無線LANの子機と親機としての使い方の違いは少し難解です。

 購入を思案中の「N-08B」はかなりの高性能機種です。でも、欲しい機能は無線LANにつながる「Wi-Fi」機能だけです。


 「N-08B」の大部分のユーザーは携帯電話機を自宅の無線LAN親機にWi-Fi機能を通して接続し、この無線LANのネットワークにつながっているパソコンやテレビ(ディスプレーとして)、ゲーム機などとデータのやりとりをする使い方をするのではと想像されます。

 これに対して、「N-08B」を無線LANの親機として使い、この親機にノート型パソコンをつなぐことを考えています。「N-08B」までは、docomoのFOMAネットワークを用いて、インターネットに接続します。FOMAネットワークは高速かつ対応地域の広さが売り物です。

 さて、こんなに便利な機能を持つ「N-08B」を買うか買わぬか思案しているのは、その通信費の高いという問題があるからです。2年間の継続使用を前提に、携帯電話機のデータ通信料の「パケ・ホーダイ ダブル」料とFOMAネットワークとの通信料を合わせると、試算では毎月2万円程度になりそうです。これは2年間の継続使用を前提とした通信費ですから、2年間で合計48万円に上ります。なかなかの費用です。しかも、「N-08B」本体の購入費はさらに約6万円の見通しです。この結果、2年間で合計54万円になります。個人にはなかなかの金額です。

 こんなに悩んでいる理由は、数年前に荒船高原にもdocomoの中継アンテナが立てられ、高原内の広範囲でdocomoの携帯電話機が通信可能になったからです。荒船高原は佐久市の東側の外れで、電話回線によるインターネットができません。光ファイバー回線はもとより、昔懐かしいADSLにも中継機から遠いので対応できません(冗談のようですが、なんとISDNは対応できるとのことです)。少し話が飛びますが、地上デジタル波対応のアンテナも全チャンネルが対応可能かどうかは不明です。つまり、インターネットなどの通信インフラストラクチャーにつながらない空白の過疎地なのです。

 この問題を「N-08B」は一挙に解消してくれそうです。無線LANの技術がここまで進化するとは考えていませんでした。後は、高い通信費を負担できる資金力の確保です。これが難問なのです。イノベーション創出は、その恩恵を受けるユーザーが負担できる範囲の費用が前提です。先進ユーザーが欲しがる新規性と高コストは永遠の課題です。貯金通帳をみて思案中です。