ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

麦草峠近くの白駒湖畔の原生林を歩きました

2010年08月09日 | 旅行
 八ヶ岳の白駒池(しらこまいけ)は湖面の標高が2115メートルもある火山湖です。
 茶臼山(ちゃうすやま、標高2384メートル)や天狗岳(てんぐだけ、標高2646メートル)の間の“北八ヶ岳”と呼ばれる麦草峠(むぎくさとうげ)の近くにある湖です。長野県の佐久穂町(さくほまち)と小海町(こうみまち)の境にあります。

 シタビソ、コメツガ、トウヒなどで構成される原生林に囲まれたひっそりとした雰囲気の火山湖です。


 原生林の中は、樹木の呼吸によってかなり涼しい森林浴でした。天然の樹木と火山岩とコケ(苔)むした地表が組み合わさっている湖周囲の木道は神秘的な感じを醸しだしています。山奥の原生林の中にいるという感じがします。

 その一方で、麦草峠を近くの国道299号沿いにある駐車場から徒歩約15分ぐらいで原生林を抜けて簡単に湖畔に到達するため、観光客や登山客などの人が混じって、騒がしい人声によって神秘な雰囲気はすぐに壊れます。観光地になります。

 うっそうとした原生林は陽光があまり入らない所もあり、地表などがコケで覆われ、いろいろなキノコが生えています。薄暗い個所は下草も生えていません。日が差さないために、何カ所かにギンリュウソウ(銀竜草)という白みかがった“腐生植物”が生えていました。


 “竜”というか“竜の落とし子”のような外観です。倒木の陰などに生えているため、丹念に探さないと見つかりません。腐生植物とは、湿り気のある腐植土の上に生える植物を意味し、菌類と共生して地中から栄養を得ているそうです。白いのは葉緑素がないためと想像しています。

 湖面近くの大きな樹木の上に、ホンドリスがいました。実際に見たのは1匹ですが、周囲の人がここにもいると何カ所かを指さしていましたので、夫婦・親子で数匹いたようです。


 背の高い木の枝の上にいるため、画像はシルエット化しています。リスを観察している人の側を、登山客などの方々が大きな声で話しながら歩いていくため、リスは木陰に姿を隠してしまいました。歩くことに集中していて、周囲をあまり見ていない方も少なくありません。ここは、夜になるとムササビも出るそうです。確かに、いろいろな動物が住んでいそうな原始林です。

 湖面近くをいくつかのトンボが飛んでいます。オニヤンマや“アカトンボ”などに混じって、小さな透き通った青色のイトトンボもたくさん飛んでいました。


 青色といっても、トルコブルーのような美しい青色でした。地面などに留まった時は、羽根を胴の脇に畳んでいます。

 原始林の中で、多様な生物に出会えた自然観察でした。人間が主人公ではない世界を歩きました。