ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

佐久市の佐久荒船高原ではキツリフネが咲き誇っています

2010年09月07日 | 佐久荒船高原便り
 標高1100メートルの佐久荒船高原ではススキなどが目立ち始めました。

 標高が高く涼しいために、秋の花々が段々目立つようになってきました。その代表格はツリフネソウ(釣船草)です。背丈50~80センチメートルのツリフネソウは群生し、濃い赤紫色の花が数10個も並んで自然の花壇をつくっています。9月初めに入って、花は少しあせたものが増えています。8月末の晩夏からツリフネソウはいっせいに咲き始め、猛暑にまいっている感じです。

 これに対して、同じツリフネソウ科ツリフネソウ属に属する親戚のキツリフネは元気です。見た目は赤紫色の花が、単純に黄色になっただけのようにみえる親戚の野草です。黄色の筒状に膨らんだ花が茎から垂れています。こんな造形を自然はつくり出しています。



 花の形が奥行きのある袋状のため、ハナアブなどのアブ類が花の奥に蜜を求めて首を突っ込んでいます。この点は、ツリフネソウも同じです。昆虫に人気の高い花です。

 赤紫色のツリフネソウの群落の隣りに、黄色のキツリフネの群落がよく続きます。両者の割合は、ツリフネソウの方がかなり多いです。実際には、両者は葉の形が少し違うそうです。

 ミゾソバ(溝蕎麦)も今年はあまりきれいには咲いていません。猛暑のためか、花の色が白っぽいのです。いつもは白色の中に濃いピンク色が入って美しいのですが。



 “ソバ”と名付けられていますが、ソバとは異なる野草です。毎年、ミゾソバが群生する所に見に行ったのですが、あまり育っていませんでした。こんな所にも、今年の猛暑の影響が出ているのかもしれません。特に1年草は影響が出ている感じです。今年はフシグロセンノウの花も数が少ないと感じています。

 佐久荒船高原は昔は牧場だった草原に、鉄道の枕木を採る目的で栗の木を植えたことから森の面積が増えたそうです。このため、里栗に比べて実が小さいカチグリの大木があちこちに生えています。カチグリの実からいくつか芽生えます。若木に栗の実がなっています。



 秋を感じさせる風景です。もうすぐすると、イガが山道に落ちて、はじけて栗の実が散乱します。しっかりした靴を履かないと、イガがつま先などに刺さって危険です。冬になると、この落ちた栗の実をホンドリスやイノシシが食べているようです。佐久荒船高原は、5月の早春から真夏になり、すぐに秋を迎え、11月末には冬景色になります。高原の四季の移ろいは速いのです。

 荒船山は見かけは盛夏のままです。



 向かいから眺める限りは緑が濃い盛夏なのですが。でも密かに秋が近づいているのでしょう。紅葉し始めると、その変化は早いです。一気に葉を落とします。人間の営みには関係なく、高原の四季は進みます。