ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

標高2630メートルの千畳敷カールは秋でした

2010年09月28日 | 旅行
 氷河が削り取ってできた千畳敷カールは、夏はコバイケイソウなどの高山植物が咲き誇る野草の宝庫です。
 その千畳敷カールは、駒ヶ根ロープウェイの終点の千畳敷駅の眼下に広がっていました。すり鉢の底のような岩場の景色でした。中央アルプスの名峰の一つである標高2931メートルの宝剣岳の真下に広がっているのが千畳敷カールです。千畳敷駅の標高が2632メートルだそうなので、千畳敷カールは2630メートルから上下に100メートルぐらい広がった地域です。


 春は残雪の美しさ、夏は高山植物、秋は紅葉、冬は白銀の雪の世界と四季ごとに、それぞれ楽しめるそうです。駒ヶ根ロープウェイは一年中稼働しているからです。

 9月27日に、関東地方は朝から雨が降っているため、標高2630メートルぐらいの千畳敷カールは当然、雨と予想しながら、長野県の駒ヶ根市に向かいました。諏訪湖辺りから晴れ間が見え始め、駒ヶ根市に近づくにつれて、曇り空の中に青空が広がり始めました。小雨で、千畳敷カールは雲の中との予想が見事に外れました。バスセンターから駒ヶ根ロープウェイの始点のしらび平駅行きのバスに乗りました。バスは険しい斜面の森の中を切り開いてつくられた、つづら折りの山道を登っていきます。約30分のバスの旅です。

 駒ヶ根ロープウェイの始点のしらび平駅には、予想以上に多い登山家と観光客が並んでいました。60人乗りのロープウェイを1回待たされ、臨時号に乗って終点に登りました。途中から霧に囲まれ、ロープウェイからはモミの木に似たシラビソの大木の森を少しだけ見ることができました。やはり、千畳敷カールは雲か霧に囲まれて見通しが良くないのかと思いました。ところが、千畳敷カールは予想に反して晴れていました。もちろん、下から時々、霧が上がって来て、見通しが悪くなります。


 夏の高山植物の花は当然、咲き終わっており、初秋の雰囲気でした。ナナカマドなどの低木が赤い実をつけています。葉はまだ緑色で、紅葉していません。


 小さな赤い実をつけるという点では似ている低木が数種あり、実の赤い色の感じがいくらか違っていました。ナナカマド以外の木の名前は分かりませんでした。

 高山植物も実をつけています。葉や茎が黄色くなり、やや枯れかかっています。例えば、チングルマが毛をつけた実をつけて、遠くに子孫を飛ばそうとしています。


 この綿毛のような実の姿からは、夏の白色に中心部が黄色い可憐な花を想像することは難しいでしょう。多くの観光客はチングルマの種に気が付かずに、どんどん通過していきます。

 夏に高山植物が咲き誇っている姿を想像しながら岩場を上り下りして歩きました。氷河期からは、あまり姿を変えていないのではないかといわれる、氷河が削った底面を歩きました。秋は、山の頂上から麓に降りてきます。その走りを千畳敷カールで見ることができました。

 麓の駒ヶ根市は名物がソースカツ丼であり、これを訴える看板が並びます。当然、元祖を訴える店が並びます。ソースカツ丼とは、飯の上に千切りキャベツを乗せ、その上にカツを載せたものでした。カツにはソースがからめてあります。


 もちろん美味なのですが、値段は予想した以上に高く、庶民派のB級グルメではありません。カツを柔らかくするために、いい肉を使っているためと推定しています。