イタリア料理の大手レストランチェーン店「サイゼリヤ」の創業者で代表取締役会長を務める正垣泰彦(しょうがきやすひこ)さんの講演を拝聴しました。
大手監査法人が開催した講演会の基調講演者としてお話しされました。聴講者は、ベンチャー企業などの成長性の高い小企業の経営者や社員、その経営を支援する金融機関などの関係者のようです。
サイゼリヤは現在、イタリア料理店舗を国内929店、海外89店の合計1018店を展開し、売上高1042億円(2012年8月期時点・連結)と成功している外食チェーン店です。その創業者として、威厳のある堂々たる講演でした。従業員数は、正社員が約2000人、準社員(パートタイム?)が7165人(2012年8月期時点・単体)の約9000人強の雇用をつくり出しているとのことです。
講演では原稿を見ず、パワーポイント(PowerPoint)などのパソコンソフトウエアの資料も使わずに、やや漫談風に話をどんどん進めます。たぶん、何回も講演している内容なので、頭の中にストーリーが入っている感じで、どんどん話を進めていきます。ただし、話の展開は論理的には構成されてなく、サイゼリアの基本情報を知らないと分かりにくい部分がいくつもあります。
講演の冒頭で「企業を創業し、大きく育てることは、“8つの法則”を守れば、簡単なこと」といって、聴講者の関心を引きつけます。実績を上げているので、受け入れるしかありません。
そして、「株式を上場しない経営者は経営者ではない」と言い放します。サイゼリアは、1998年に現在のジャスダックに株式上場し、2000年に東証1部上場を果たしています。1967年に、正垣さんは東京理科大学に在学中に、レストラン「サイゼリヤ」を始めます。
株式上場を目指し、企業を成長させるためには、「X年間に会社を200倍に成長させる目標を持て」といいます。このX年間が20年間なのか30年間なのか聞きとれませんでした。
会社を200倍に成長させるには、「毎年20パーセントから30パーセント成長させる経営戦略を持て」といいます。企業がある程度大きくなったときには、毎年20パーセントの成長はかなり厳しい数字目標です。
200倍に急成長させるには、「ロマンとビジョンを反映した目標と目的を持て」といい、「企業の“経営理論”を素直に学び、我流の理論に陥るな」といいます。確かに、そうですが、具体的にはよく分かりません。
「創業期10年間で経営基礎をつくり、成長期20年間で人材を育成する」そうです。この理屈でいうと、X年間は30年のようです。創業期のある時点で、「大卒の新人を採用し、約20年以上かけて人材育成し、企業の中核の幹部に据えることが大切」といいます。この新卒採用した人材が40歳代になったときに、経営幹部になっていないと成長できないそうです。期間の数字がつじつまが少し合いません。
正垣さんがレストラン「サイゼリヤ」を開業した経緯の創業期は“伝説的”な話です。東京理科大学の理学部在学中に新宿(JR新宿駅近くか新宿区かは不明です。東京理科大学のあるJR飯田橋駅近くの神楽坂も新宿区ですので)のレストランで、皿洗いのアルバイトを始めます。
真面目に皿洗いの仕事をして、そのレストランの従業員に気に入られます。料理人の方が「早朝に出社すれば、ただで料理の基本を教えてあげる」とまで気に入られたそうです。
大学4年生になり、「卒業するので、アルバイト先のレストランを辞める」と伝えると、そのレストランの料理人などの従業員も一緒に辞めると言い出し、「この従業員たちを食べさせるために、レストランを開業せざるを得なくなった」と開業の経緯を説明します。正垣さんは、親分肌で面倒見がよく、若い従業員に慕われたようです。
1967年に、千葉県市川市にレストラン「サイゼリヤ」を開業します。不人気店だったレストランを居抜きで譲り受けたようです(講演では触れませんでしたが、この店でやはりアルバイトをして、店主に気に入られて、安価で譲り受けたそうです)。1階に八百屋が入っている建物の2階で開店します。
当初は、お客があまり来ない洋食系レストランだったそうです。この最初の「サイゼリヤ」は、開店から7カ月後、店は全焼する憂き目(うきめ)にあったそうです。地元のお客が店内で喧嘩し、石油ストーブを倒したためです。
全焼したお店を見て、これでレストラン稼業を辞めようと思った時に、正垣さんのお母さんなどが再建資金を出し、再びレストランを始めることができ、従業員たちを路頭に迷わせることが避けられたそうです。
再開はしたものの、レストランは流行らず、悩んだ末に、イタリアに視察に行きます。そして、イタリアの料理人から「イタリア料理は美味しいうえに、栄養バランスが取れてヘルシーなので、毎日食べることが健康維持になる」と聞きます。「素材の持ち味を生かし、料理の組み合わせや選択肢が豊富だから毎日食べても飽きない」と、イタリア料理を提供する意義をつかみます。
これが「サイゼリヤ」の現在の料理哲学の「シンプルな調理で毎日でも飽きずに食べられる料理を“おいしい料理”と考える」になったそうです。この企業哲学をつくり、その実践に邁進(まいしん)することが企業を成長させたそうです。
話が長くなったので、残りは明日になります。
大手監査法人が開催した講演会の基調講演者としてお話しされました。聴講者は、ベンチャー企業などの成長性の高い小企業の経営者や社員、その経営を支援する金融機関などの関係者のようです。
サイゼリヤは現在、イタリア料理店舗を国内929店、海外89店の合計1018店を展開し、売上高1042億円(2012年8月期時点・連結)と成功している外食チェーン店です。その創業者として、威厳のある堂々たる講演でした。従業員数は、正社員が約2000人、準社員(パートタイム?)が7165人(2012年8月期時点・単体)の約9000人強の雇用をつくり出しているとのことです。
講演では原稿を見ず、パワーポイント(PowerPoint)などのパソコンソフトウエアの資料も使わずに、やや漫談風に話をどんどん進めます。たぶん、何回も講演している内容なので、頭の中にストーリーが入っている感じで、どんどん話を進めていきます。ただし、話の展開は論理的には構成されてなく、サイゼリアの基本情報を知らないと分かりにくい部分がいくつもあります。
講演の冒頭で「企業を創業し、大きく育てることは、“8つの法則”を守れば、簡単なこと」といって、聴講者の関心を引きつけます。実績を上げているので、受け入れるしかありません。
そして、「株式を上場しない経営者は経営者ではない」と言い放します。サイゼリアは、1998年に現在のジャスダックに株式上場し、2000年に東証1部上場を果たしています。1967年に、正垣さんは東京理科大学に在学中に、レストラン「サイゼリヤ」を始めます。
株式上場を目指し、企業を成長させるためには、「X年間に会社を200倍に成長させる目標を持て」といいます。このX年間が20年間なのか30年間なのか聞きとれませんでした。
会社を200倍に成長させるには、「毎年20パーセントから30パーセント成長させる経営戦略を持て」といいます。企業がある程度大きくなったときには、毎年20パーセントの成長はかなり厳しい数字目標です。
200倍に急成長させるには、「ロマンとビジョンを反映した目標と目的を持て」といい、「企業の“経営理論”を素直に学び、我流の理論に陥るな」といいます。確かに、そうですが、具体的にはよく分かりません。
「創業期10年間で経営基礎をつくり、成長期20年間で人材を育成する」そうです。この理屈でいうと、X年間は30年のようです。創業期のある時点で、「大卒の新人を採用し、約20年以上かけて人材育成し、企業の中核の幹部に据えることが大切」といいます。この新卒採用した人材が40歳代になったときに、経営幹部になっていないと成長できないそうです。期間の数字がつじつまが少し合いません。
正垣さんがレストラン「サイゼリヤ」を開業した経緯の創業期は“伝説的”な話です。東京理科大学の理学部在学中に新宿(JR新宿駅近くか新宿区かは不明です。東京理科大学のあるJR飯田橋駅近くの神楽坂も新宿区ですので)のレストランで、皿洗いのアルバイトを始めます。
真面目に皿洗いの仕事をして、そのレストランの従業員に気に入られます。料理人の方が「早朝に出社すれば、ただで料理の基本を教えてあげる」とまで気に入られたそうです。
大学4年生になり、「卒業するので、アルバイト先のレストランを辞める」と伝えると、そのレストランの料理人などの従業員も一緒に辞めると言い出し、「この従業員たちを食べさせるために、レストランを開業せざるを得なくなった」と開業の経緯を説明します。正垣さんは、親分肌で面倒見がよく、若い従業員に慕われたようです。
1967年に、千葉県市川市にレストラン「サイゼリヤ」を開業します。不人気店だったレストランを居抜きで譲り受けたようです(講演では触れませんでしたが、この店でやはりアルバイトをして、店主に気に入られて、安価で譲り受けたそうです)。1階に八百屋が入っている建物の2階で開店します。
当初は、お客があまり来ない洋食系レストランだったそうです。この最初の「サイゼリヤ」は、開店から7カ月後、店は全焼する憂き目(うきめ)にあったそうです。地元のお客が店内で喧嘩し、石油ストーブを倒したためです。
全焼したお店を見て、これでレストラン稼業を辞めようと思った時に、正垣さんのお母さんなどが再建資金を出し、再びレストランを始めることができ、従業員たちを路頭に迷わせることが避けられたそうです。
再開はしたものの、レストランは流行らず、悩んだ末に、イタリアに視察に行きます。そして、イタリアの料理人から「イタリア料理は美味しいうえに、栄養バランスが取れてヘルシーなので、毎日食べることが健康維持になる」と聞きます。「素材の持ち味を生かし、料理の組み合わせや選択肢が豊富だから毎日食べても飽きない」と、イタリア料理を提供する意義をつかみます。
これが「サイゼリヤ」の現在の料理哲学の「シンプルな調理で毎日でも飽きずに食べられる料理を“おいしい料理”と考える」になったそうです。この企業哲学をつくり、その実践に邁進(まいしん)することが企業を成長させたそうです。
話が長くなったので、残りは明日になります。