加藤石生(いわお)さんは“壮年起業”を実践した方です
ある大手化学企業にお勤めしていて、定年が近づいた58歳の際に、加藤さんは技術営業を売り物とする“技術”商社のセラミックスフォーラムを起業しました。これまでに研究開発者として培った人脈を生かし、自分の力で定年後の人生を切り開こうと考えたからです。
9年前の平成13年(2001年)8月にセラミックスフォーラムを数人の仲間と創業しました。その当時から、加藤さんは代表取締役として猛烈に仕事をされています。大手企業のサラリーマン(従業員)の時と違って、経営者として自分の責任で最善の手を決断し、事業を運営することは「とても楽しい」とのことです。定年後に関連企業などに再就職しても、仕事内容が自分の意のままにならないのであれば、「思い切って数100万円の資本金で会社を創業することをお薦めしたい」といいます。自分が得意で気に入ったことを仕事にできるからです。自分が好きな仕事ならば、厳しい局面でも楽しく仕事ができるようです。
加藤さんは「当社を無闇矢鱈(むやみやたら)に大きく成長させない」と宣言しています。そして、「できるだけ借金をしないことを心掛けている」そうです。着実に企業を成長させていくことで、従業員をリスクにさらさないように心掛けているようです。同社は現在、加藤さんなどの常勤役員と従業員を併せて5人のこじんまりした会社です。創業後にいただいた電子メールでは、事業実績を社内で公表し、各人の給料を話し合いで決めているとのことでした。
セラミックスフォーラムはガラス溶解技術やガラスシーラント、炭化ケイ素(シリコンカーバイド)などの特殊な材料とその関連技術などを輸入する技術商社です。ガラス溶解技術はチェコやフランス、ハンガリーなどの欧州の企業と提携し、国内企業に提供しています。炭化ケイ素はドイツ企業からウエハーを輸入し販売しています。
炭化ケイ素ウエハーは、10年数年前に加藤さんから見せていただいた記憶があります。当時の加藤さんは大手化学企業のセラミックス開発事業の責任者から子会社の商社に異動されたころでした。開発技術者から事業の営業などを担当されていたように記憶しています。この事業の営業担当者としての経験が、結果的に起業に役に立ったのではないかと推定しています。欧州の先進技術を持つ企業群をパートナー企業にできた点が加藤さんの人脈のすごさです。
加藤さんが“セラミックスフォーラム”という少し変わった企業名を創業した会社に採用した理由は、元々は仲間たちと企業の枠を超えて、毎月、セラミックスの勉強会を開催していたことに由来します。そのころは、“セラミックスフォーラム”という自主勉強会に何回か参加させていただきました。同社は現在でもガラスやセラミックなどの先端技術についての勉強会を約2カ月ごとに開催しています。加藤さんが先端技術についての勉強を続けることが自社の事業を強化すると考えているからです。同時に、先端技術を目指す者同士の人脈を大事にされているからと思います。
日本はベンチャー企業の創業数が米国などに比べて少ないといわれています。加藤さんは「“壮年起業”は事業をつくるスキルを持ち、販売などで信頼を得られる人脈を築いている壮年の方に薦めたい」と加藤さんは力説します。日本型のベンチャー企業の起業の薦めとして、加藤さんの実践は説得力を感じます。
セラミックスフォーラムは創業当初はJRの神田駅近くの神田富山町付近にオフィスを構えられました。その後、秋葉原駅近くの台東区台東のビルに引っ越され、今年10月2日に江東区青海の「the SOHO」というビルに引っ越されました。今回、セラミックスフォーラムにお邪魔したのは、このthe SOHOという新しいオフィスを見学させていただくためでした。
ゆりかもめのテレコムセンター駅から徒歩5分の距離でした。
the SOHOビルは、SOHO(Small Office/Home Office=スモールオフィス・ホームオフィス)と呼ばれる小規模事業主向けのオフィスを約350区画備えたビルです。このビルは有名なインテリアデザイナーの片山正通さんがデザインしたことで知られています。片山正通さんは株式会社ワンダーウォールの代表として、話題の販売店のデザインを手がけ、繁盛店にすることで有名な方です。
the SOHOビルのSOHOオフィスはフィットネスやバーラウンジなどを備え、入居者同士が共有スペースで交流し、何かを産み出す場として働くようにデザインされています。ビルの内側は中庭があり、内部が中空な構成です。各階のSOHOオフィスの通路側は多彩な色に塗られた独自の空間でした。中空空間は多彩な色が美しい絵になっています。
元々のビルのコンセプトから、デザイナーやクリエーターなどが集まる拠点のようです。ここを拠点に、創造的な仕事をする方の事業が花開くことで、コンテンツやソフトウエアなどの新産業が盛んになればいいと感じました。
ある大手化学企業にお勤めしていて、定年が近づいた58歳の際に、加藤さんは技術営業を売り物とする“技術”商社のセラミックスフォーラムを起業しました。これまでに研究開発者として培った人脈を生かし、自分の力で定年後の人生を切り開こうと考えたからです。
9年前の平成13年(2001年)8月にセラミックスフォーラムを数人の仲間と創業しました。その当時から、加藤さんは代表取締役として猛烈に仕事をされています。大手企業のサラリーマン(従業員)の時と違って、経営者として自分の責任で最善の手を決断し、事業を運営することは「とても楽しい」とのことです。定年後に関連企業などに再就職しても、仕事内容が自分の意のままにならないのであれば、「思い切って数100万円の資本金で会社を創業することをお薦めしたい」といいます。自分が得意で気に入ったことを仕事にできるからです。自分が好きな仕事ならば、厳しい局面でも楽しく仕事ができるようです。
加藤さんは「当社を無闇矢鱈(むやみやたら)に大きく成長させない」と宣言しています。そして、「できるだけ借金をしないことを心掛けている」そうです。着実に企業を成長させていくことで、従業員をリスクにさらさないように心掛けているようです。同社は現在、加藤さんなどの常勤役員と従業員を併せて5人のこじんまりした会社です。創業後にいただいた電子メールでは、事業実績を社内で公表し、各人の給料を話し合いで決めているとのことでした。
セラミックスフォーラムはガラス溶解技術やガラスシーラント、炭化ケイ素(シリコンカーバイド)などの特殊な材料とその関連技術などを輸入する技術商社です。ガラス溶解技術はチェコやフランス、ハンガリーなどの欧州の企業と提携し、国内企業に提供しています。炭化ケイ素はドイツ企業からウエハーを輸入し販売しています。
炭化ケイ素ウエハーは、10年数年前に加藤さんから見せていただいた記憶があります。当時の加藤さんは大手化学企業のセラミックス開発事業の責任者から子会社の商社に異動されたころでした。開発技術者から事業の営業などを担当されていたように記憶しています。この事業の営業担当者としての経験が、結果的に起業に役に立ったのではないかと推定しています。欧州の先進技術を持つ企業群をパートナー企業にできた点が加藤さんの人脈のすごさです。
加藤さんが“セラミックスフォーラム”という少し変わった企業名を創業した会社に採用した理由は、元々は仲間たちと企業の枠を超えて、毎月、セラミックスの勉強会を開催していたことに由来します。そのころは、“セラミックスフォーラム”という自主勉強会に何回か参加させていただきました。同社は現在でもガラスやセラミックなどの先端技術についての勉強会を約2カ月ごとに開催しています。加藤さんが先端技術についての勉強を続けることが自社の事業を強化すると考えているからです。同時に、先端技術を目指す者同士の人脈を大事にされているからと思います。
日本はベンチャー企業の創業数が米国などに比べて少ないといわれています。加藤さんは「“壮年起業”は事業をつくるスキルを持ち、販売などで信頼を得られる人脈を築いている壮年の方に薦めたい」と加藤さんは力説します。日本型のベンチャー企業の起業の薦めとして、加藤さんの実践は説得力を感じます。
セラミックスフォーラムは創業当初はJRの神田駅近くの神田富山町付近にオフィスを構えられました。その後、秋葉原駅近くの台東区台東のビルに引っ越され、今年10月2日に江東区青海の「the SOHO」というビルに引っ越されました。今回、セラミックスフォーラムにお邪魔したのは、このthe SOHOという新しいオフィスを見学させていただくためでした。
ゆりかもめのテレコムセンター駅から徒歩5分の距離でした。
the SOHOビルは、SOHO(Small Office/Home Office=スモールオフィス・ホームオフィス)と呼ばれる小規模事業主向けのオフィスを約350区画備えたビルです。このビルは有名なインテリアデザイナーの片山正通さんがデザインしたことで知られています。片山正通さんは株式会社ワンダーウォールの代表として、話題の販売店のデザインを手がけ、繁盛店にすることで有名な方です。
the SOHOビルのSOHOオフィスはフィットネスやバーラウンジなどを備え、入居者同士が共有スペースで交流し、何かを産み出す場として働くようにデザインされています。ビルの内側は中庭があり、内部が中空な構成です。各階のSOHOオフィスの通路側は多彩な色に塗られた独自の空間でした。中空空間は多彩な色が美しい絵になっています。
元々のビルのコンセプトから、デザイナーやクリエーターなどが集まる拠点のようです。ここを拠点に、創造的な仕事をする方の事業が花開くことで、コンテンツやソフトウエアなどの新産業が盛んになればいいと感じました。