新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

ハリス対トランプ氏の討論会

2024-09-12 07:22:06 | コラム
特記すべき点はなかった展開だったと思う:

90分間の中から、何点か思い当たった事柄を取り上げてみよう。念のために申し上げておくと、アメリカの元の上司や同僚や知人たちに加えて、長年アメリカの有名私立大学のビジネススクールの教員を務めた友人のYM氏も、トランプ氏を支持する者は皆無である。外国人である私は支持するもしないもないことだが、好ましい人物ではないと思っている。

*初対面だった:
冒頭、ハリス氏がトランプ氏に歩み寄って「カマラ・ハリスです」と名乗って握手を求めたのが非常に印象的だった。政敵というのかどうか知らないが、同じように政界にいながら、所属する党が違えば会っていないことがあるとは、矢張りアメリカは広いのかと妙なところで感心していた。

何とか聞こえた音声ではトランプ氏が“Nice to see you. Have fun.”と答えたのは「楽しみましょう」だったので、やや拍子抜けした感があった。アメリカには「面会するのはこれが最初で最後だろう」と予測した報道機関もあった。

*非難と批判:
こうなったのは想定内のこと。トランプ氏の大統領在任中からの乱暴な言葉遣いや、激しい口調などに慣れきっているし、彼が語りかけているのは彼自身が言ったworking classを主体にした支持層なのであるから、態度にも姿勢にも新機軸は現れないと十分予想が出来ていた。

ハリス氏は予測されていたように元検察官的な語法でトランプ氏に切り込んでいたので、彼はかなり苛立たされていた感が濃厚だった。この辺りも捉えて、コメンテーターたちはハリス氏が有制と判定したようだった。私はどちらが勝ったか負けたかよりも、どちらの支持をしていない中間層がどのように受け止めたかの方が、重要ではないかという気もする。

*トランプ氏は学習していない事が気になる:
トランプ氏が在任中に中国からの輸入に高率の関税をかける政策を実行したときのこと。日本国内に流れたニュースでも、トランプ氏は「毎日多額の資金が国庫に流れ込んできている」とご満悦だった。記憶ではその場で側近が止めなかったが、彼は「関税とは輸出者、即ち中国が負担するもの」と信じていたのだった。

トランプ氏の最初の報道官・スパイサー氏もメキシコからの輸入に高率の関税をかける法案が上程されたときに「これは彼等にとっては大きな負担になるから輸入が減るだろう」と語って、その場にいた官僚(?)等が慌てて発言を中止させたという事もあった。

何が言いたいのかと言えば、トランプ氏が不勉強なことである。この討論会でもトランプ氏は相変わらず「中国からの輸入に関税をかけて多額の資金を得ていた」と誇らしげに語っていたのだが、この件はどの報道機関も取り上げていなかった。この程度の常識を欠いても彼は既に一期務め、また出馬してきたのである。それで良いのだろうかと、私は疑問に思っている。


9月11日 その2 最新版「個人的の関心が高い話題」

2024-09-11 12:53:56 | コラム
全国の高校生が選ぶ人気が高い大学:

JSコーポレーションが毎年8月に発表する「全国の高校生に人気が高い国立・公立・私立大学の上位10大学」が公表された。早速以下に引用してみよう。

大学人気ランキング全国版(2024年8月31日集計)
【国公立大学】
1位「東京大学」
2位「筑波大学」
3位「京都大学」
4位「大阪大学」
5位「名古屋大学」
6位「九州大学」
7位「東北大学」
8位「北海道大学」
9位「神戸大学」
 10位「一橋大学」
【公立大学】
1位「大阪公立大学」
2位「東京都立大学」
3位「静岡県立大学」
4位「名古屋市立大学」
5位「愛知県立大学」
6位「横浜市立大学」
7位「北九州市立大学」
8位「国際教養大学」
9位「京都府立大学」
 10位「宮城大学」
【私立大学】
1位「青山学院大学」
2位「慶應義塾大学」
3位「近畿大学」
4位「明治大学」
5位「早稲田大学」
6位「上智大学」
7位「関西大学」
8位「駒澤大学」
9位「同志社大学」
 10位「中央大学」

個人的な関心と興味が最も高いのは私立大学についてなのだが、青山学院大学が第1位に躍り出ていたのが印象的だったし、尤もだろうかと解釈した。関東地方では「四大私立大学」の一角を占める東京理科大学が入っていないのは何故だろう。GMARCHからは東京六大学の立教大学と法政大学の他に、学習院大学が抜けていたのは意外だった。

関西からは近畿大学が相変わらず人気が高く3位というのも感心したし、関西大学が7位に入り、同志社大学が9位という結果も興味深いものがある。

近頃気になっていること

2024-09-11 08:05:37 | コラム
どのような結末に持っていくのか:

斎藤元彦兵庫県知事の問題:
事の次第は百条委員会での質疑応答や、専門の法律家の説明を聞いて漸く見えてきたと思う。マスコミの報道の仕方とその論調に依れば、情勢は斎藤知事が圧倒的に不利であるとしか見えない。だが、彼は自らの非を認めれば負けであると良く分かっているのか、分かっていないのか見通せないが、頑として譲らない。県議会の辞職要求を聞いても顔色すら変えていない。凄い精神力というか、その強さかと思わせられる。

先ほど、テレ朝だったかで議会解散に打って出れば、どれほどの費用がかかるかを報じていた。だが、あの頑迷さではその公費の出費を厭わずに解散して、自己の正当性を確認しようとしかねない気さえする。引くに引けなくなったのだろうか。だが、脳裏に何時もこういう場合に浮かんでくる不吉な言葉は「野垂れ死」なのである。斎藤元彦兵庫県知事はそこまで読めていても態度は変えないように見えるので気になるのだ。

自分の体面を維持する為には「百万人と雖も我行かん」という固い決意で県民の迷惑など顧みない姿勢なのだろうかと、本当に気になっている。

マイナンバーカードを健康保険証に使う:
河野太郎大臣は「一旦言いだした以上は、自分の名誉と面子の為には何があっても引く訳にはいかないのだ」と言わないだけで、絶対に変更することはないと言う確固たる姿勢だ。そうすることが、どれほど医療の面や病院や医院等の為になるのかを、具体的に語ったことはなかったように思う。だが、至る所に10種類はあるというあの機器が用意されている。

専門家の萩原博子さんの解説では「メリットはなくて12月2日以降でも「紙」が使える体制が維持される」とかだ。河野大臣にとっては今更落とし所などあり得ないのであろうと見える。小林鷹之氏も変更せずと言い出したのも気になっている。

IDだかパスワードの記録を喪失した当方は、既に4回ほど顔認証で無事に関所を通過した経験がある。従って、多少面倒ではあるがマイナンバーカードのみでも何とかなるという自信のようなものは持っている。だが、何故そうしなければならないのかは分からないので、投げやりになって言えば「マイナンバーカードでも従来の保険証でもどちらになって構わないが、全国一斉に切り替わると誰が受益者になるのかな」と気になっている。

だが、河野大臣も岸田総理も何故そうするべきなのかを、詳細に繰り返して説明していないとしか思えない.総裁選に立候補しておられる河野太郎大臣に好感を持てない原因はこの辺りの強行突破姿勢にあるように思う。

イスラエル対ハマスの件:
イスラエルと言うか、ネタニヤフ首相が絶対に譲歩しないとの見方は、何人かの中近東駐在経験者と知人から聞いている。それはそれとして、未だに良く理解できないことがある。それは、マスコミのガザというかパレスチナ寄りの報道姿勢である。彼等の取材源がパレスチナ側とイスラエル側のどちらにあるのか知らぬが、ハマスの詳細な動静を報じているのを聞いたことがない。イスラエルが争っている相手は侵攻してきた人質まで奪ったハマスだと思うが。気になって仕方ない。

ガザの住人たちが武器を以てイスラエル軍と戦って死傷者が数多く出ているのだろうか。何時もテレビの画面に出てくるのは家族や幼児を失って慟哭するパレスチナ人たちのようで、ハマスの戦士たちではないようだ。私はハマスもあれほどイスラエル軍に攻め続けられれば、多数の死者が出ているのだろうと思うが、マスコミ報道ではガザに住む人たちの死傷者の数しか報じられていない。それで済む話なのだろうか。そこまで伝えていないのが気になっている。

洋の東西でM&Aが進行中

2024-09-10 08:51:39 | コラム
太平洋を挟んでM&Aが:

目下の所、アメリカと日本国内で中々の規模の買収の話が進んでいる。その対象になっているのがアメリカのUSスティールと我が国のセブン&アイ・ホールディングスである。

日本製鉄のUSスティールの買収:
既に取り上げたように日本製鉄のUSスティール買収は先ずトランプ氏が反対を唱え、ハリス副大統領も放っておく訳にはいくまいと反対を唱えて、暗礁に乗りかけた感が濃厚。私はアメリカ製造業界の実情に暗いトランプ氏はUSWと労働者と組合の保護を理由にして反対を始めたと見ている。ハリス副大統領にしたところで反対の理由も似ている。

世界の鉄鋼業界の実情、即ち中国が世界最大の粗鋼生産国となって世界の市場を席巻した為に、アメリカを始めとする諸国の製鉄会社が経営不振に陥り、USスティールも深刻な不振に悩んでいるのだ。その会社を救おうと日本製鉄が乗り出したところ、トランプ氏とハリス副大統領が「労働者階層の保護」を唱え始めたのだが、USスティール社そのものが反対しているのではない事はご存じなのかと奇異に感じている。

カナダのアリマンタシォン・クシュタールがセブン&アイ・ホールディングスを:
次はセブンイレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスが買収されるかもいう話。私は「コンビニエンスストア」(=コンビニ)の価値が未だに良く理解も認識も出来ていないので「我が国の人々の生活にとって欠くべからざる存在のコンビニが外国資本に買収されては・・・」と言って危機感を訴えるマスコミ論調について行きかねている次第だ。

今を去ること48年前のことだった。シアトルで目的地までの道を教えられた際に「セブンイレブンの角を曲がって」というのがあった。何の事だろうかと不思議に思って、商社の駐在の方に運転をお任せした。行って見れば、なるほど小規模な商店があった。転勤してきて間もない彼も「何を売っている店ですかね」という程度の認識だった。それが「コンビニエンスストア」だと教えられて、初めてアメリカでは色々な商売を始めるのだと解った。

そのコンビニであるが、私は三菱商事の傘下にあると思うローソンの竹増貞信社長がその経営の難しさを語って「24時間というか深夜営業による電気その他のエネルギー、人件費、品揃え、フードロス対策、商品の受け入れ態勢等々コスト上昇の負担が増加する一方で、小売価格を据え置く訳にも行かずに悩まされている」とその苦境を語っておられた。「フードロス」対策などは特に頭痛の種だという・。故にと言うか、私はコンビニで買うと割高になると思うので、余程のことがなければ利用したことがないのだ。

我が国ではセブン&アイ・ホールディングスが傘下のイトーヨーカドーの業績不振に悩み、徐々に撤退を開始したところに、カナダでコンビニエンスストア“Couch-Tard”(=クシュタール)を運営するアリマンタシォン・クシュタール(Alimentation-Couche-Tard)が買収を持ちかけてきた。セブン&アイ側は過小評価であるとして拒否の退勢。この会社は百貨店のそごう西武の経営が上手く行かずに売却した実績がある。

アリマンタシォン・クシュタールはカナダのケベック州モントリオールの近郊に本部を置く企業である。カナダの事情などを知る由もないが、セブンイレブンを持つセブン&アイ・ホールディングスを狙ってきた以上、何らかの勝算があるのだろう。だが、我が国の経済情勢はと言えば、自由民主党総裁選の候補者たちが景気回復や円安克服やデフレからの脱却を訴えている状態だ。

それでなくとも、多くのコンビニの店舗が24時間営業の継続が困難と言っている時に、アリマンタシォン・クシュタールが買収を仕掛けてきた根拠は何なのだろうか。現在の人手不足はコンビニ等々でセルフレジに切り替えて、外国人を雇用した程度で解消できる性質だとはとても思えない。セブン&アイ・ホールディングスが如何なる手法で買収を回避するか、アリマンタシォン・クシュタールに何か秘策と目的があるのかを見守っていきたい。

アメリカでは大統領候補者たちがUSスティール買収について反対を唱えているし、連邦政府の機関も乗り出しかねない雰囲気もある。我が国では自由民主党総裁選の候補者も立憲民主党の候補者たちも、このアリマンタシォン・クシュタールの件には触れていない。「国民の生活に欠くべからざる存在」というマスコミも経過報告だけで、反対を唱えないのは何か理由があるのだろうか。

参考資料:Wikipedia

MLBと日本とアジア系の選手たちの考察

2024-09-09 07:30:13 | コラム
MLBは未だアジア系の選手たちには狭き門なのか:

昨8日の夜に、何時も偶然なので失礼かもしれないが、U-18の野球のアジア選手権(と言うのかな)の決勝戦にチャンネルが合ったのだった。対戦しているのは日本とチャイニーズタイペイだった。画面を見て閃いたことは「チャイニーズタイペイが優勢かな」だった。アナウンサーがチャイニーズタイペイの4番を打っている「コ・シンシェン」(漢字を発見できなかった)がDodgersとマイナー契約を結んでいると紹介していた。

そこで気が付いたことがあった。それは「我が国からは藤浪晋太郎を含めれば2024年の時点では12人もの投手と野手がMLBの第一線で活躍しているのだが(日本には何らかの制約があるのか)日本の野球界で高校在学中にMLBとは言わないまでも、マイナー契約に至った、将来を有望と見込まれた選手はいなかったのでは」という事だった。

韓国からMLBに入って活躍していた選手としては、ダルビッシュ有がいた頃のテキサス・レンジャーズに秋信守(シュシンス)外野手がいた記憶がある。また、今年のナショナルリーグの韓国で開催されたオープニングゲームに出場したサンデイエゴ・パドレスのショートストップには金河成(キムハソン)がいた。

それではと検索してみれば、韓国からは3人で、台湾からは2人とあった。「あれ、少ないな」と意外な感を禁じ得なかった。秋信守は既にMLBから退いていたのだった。気が付いた現象は、日本からは12名も行っている中で、大谷翔平を投手に加えて数えると10名が投手で、野手は鈴木誠也と吉田正尚のみであり、内野手は一人もいなかった。

外野手では打者として数々のMLB記録を打ち立てたイチローが光り輝く存在だが、内野手で名を為したのはスワローズから転進した岩村明憲だけのように思える。西岡剛も名手の一人だったが、ダブルプレーの際に滑り込んできた走者にぶつかられて壊されて以降、内野手で転進していた者を知らない。だが、投手では野茂英雄の成功例を始めとして、立派に通用している投手は多い。大谷翔平は別格であろうが。

ここまで見てきて思い当たることはと言えば、WBCを何回も制覇している我が国や、確かな実力を見せている韓国からも野球界の最高峰と認められているMLBには、今や中心勢力に成り上がったかと思わせられる南アメリカの諸国と比較すれば、その選手の数が如何にも少ないと解るのだ。言い方を変えれば「未だに狭き門」であるようなのだ。私は「何故だろう。アジア勢は決して技術的には劣っていない」と思うのだ。

そこで、思い浮かぶのは、アメリカで最も人気が高いフットボールの世界の中でも強豪大学として広く認められているオクラホマ州立大学にコーチ留学して研鑽を積まれた現同志社大学ヘッドコーチ・橋詰功氏が指摘された言葉である。それは「あの世界に入ればティームで相互に意思の疎通を図るのが重要な課題なので、日本人にとってそこに立ちはだかるのが英語という壁」なのである。

それが証拠にと言うべきか何と言うべきか、大谷翔平には新たな通訳がついているし、他の選手たちも同様だ。だが、スペイン語系の国から来ている選手たちに通訳がついているとは思えないのだ。英語とスペイン語の間には共通な言葉も多く、英語の単語の発音を変えればそのままスペイン語になってしまう例もあるので、あの選手たちは習得しやすいのではなかろうか。

我が国の英語教育を論おう(アゲツラオウ)とするのではなく、我が国からMLBに進出して活躍している選手たちを考察していたら、英語の問題に突き当たったと言うだけこと。韓国では国家として英語の教育を推進していると聞いているし、カリフォルニア州等に数多く移住して来ている者たちの英語力はかなり高い水準にあるのだが。