ガ行鼻濁音族は最早希少価値となったのか:
昨日だったか、フジテレビのニュース「ィット」で天気予報を見ていると、ガチャピンとやらと一緒に出てきたアナウンサー・勝野健の話し方が何となく柔らかに聞こえたのだった。というだけで特に気にしてはいなかった。だが、良く聞いてみると、今や滅多に聞けない「ガ行鼻濁音」で話しているのだった。戦前はいざ知らず、戦後では日本放送協会(NHKのこと)のアナウンサーたちは「ガ行鼻濁音」で統一されていると聞かされていた。
だが、時移り人変わって、このガ行鼻濁音(の仕来りというのか規定というのか知らない)を守っているアナウンサーはNHKでも希少価値にまで減少し、戦後派の民放では殆どいないような状態になってしまっていた。「ガ行鼻濁音」が日本語としてあるべき姿かどうかは知らないが、東京に生まれ育った私は、気が付けば「ガ行鼻濁音族」の一員になっていた。そして、29歳にして大阪支店に転勤して、関西にはガ行鼻濁音など無いのだと知った。
そこで気が付いたことは「関東地方の特色で、関西に行けば話が違ってくるのだろう」だった。だが、それもその通りではなく、関東と言っても埼玉や群馬に至れば、ガ行は鼻濁音化されていないようだとも聞かされた。現在のテレビ局のアナウンサーたちでは、ガ行を鼻濁音にしているものなど皆無であると思っていた。ところが、千葉県出身とある勝野アナウンサーは若くして鼻濁音化族だったのだ。何となく感動していた。
そこで、我が家である。ガ行鼻濁音族の私は北関東出身の家内が非ガ行鼻濁音族であるとは迂闊にも全く気が付いていなかった。気が付いたのは2人の息子たち非ガ行鼻濁音族であると解って、家内が話すのを良く聞けば、非ガ行鼻濁音族だったのだ。「悪貨は良貨を駆逐する」とまで言う気などは毛頭ないが、私よりも家内と共に過ごす時間が長かったのだろう彼等は同化(感化?)されていたのだった。
という次第で、私は今や完全に少数民族の如きとなった「ガ行鼻濁音」を守っている次第だ。事が英語となると、発音や文法に厳しいことを言ってきていながら、家族に「ガ行鼻濁音」の指導も出来なかったことを深く反省している。また、勝野健アナウンサーには「これからも確りガ行鼻濁音を守るように」と告げて終わる。