何故、岸田文雄総理は不人気なのだろう:
今回も「私が政治を取り上げる際には、マスコミ報道を情報源として依存している」とお断りしてから入って行こうと思う。自分ではここで言うことは政治に対する批判ではなく、マスコミ報道への不信感が大部分を占めていると思うのだ。
内閣官房参与・飯島勲氏は、私が知る限りではPresident誌に連載しておられるコラムで「岸田文雄総理は立派な業績を残しておられるので、非難するのは不当であるし、世論調査で低支持率が出るのも不可解」と繰り返して主張された。だが、テレビでも新聞でも週刊誌等でも岸田総理を礼賛することなく批判する傾向は止まらない。
現在参議院で審議中の政治資金規正法改正案についても、パーティー券の購入者公開を5万円に引き下げを総理が独断で決められたと非難しているように、何を決められても好意的な報道にはならないと感じている。このように報道され続ければ「岸田総理信ずるに足らず」との見方が浸透するので、世論調査をすれば、支持率が下がり続ける結果になるのではないのか。かく申す私も今日までに岸田氏を賞賛した記憶はない。
そこに、昨13日の産経新聞には興味深い論調が載っていた。それは、阿比留瑠比が【阿比留瑠比の極言御免】で「岸田首相の考えが分からない」と言い。乾正人は「大手町の片隅から」で「岸田首相の人気について考える」の中でチャンと総理の成果を取り上げて、「失政と呼べるものは現段階ではあまりないのではないか、と私は思う」と指摘していたのだ。
私も「なる程。そういう風に見ているのか。この辺りは身贔屓の感が拭えない飯島氏の論調が裏付けられている」と興味深く読んでいた。念のため乾正人が取り上げた総理の業績を引用してみようと思う。
>引用開始
「国家安全保障戦略など安保文書を見直して反撃能力の保有を明記したり、次期戦闘機を日英伊3国で共同開発する方針を決めたりと、安保政策を重視した安倍晋三政権でも成し遂げられなかった政策を軽々とやってのけた。経済政策も賃上げに熱心に取り組み、NISA(少額投資非課税制度)の拡充も推進、日経平均株価はバブル期以来の最高値を記録した。
政治資金規正法の改正についても、パーティー券の購入者を公開する基準を「5万円超」に引き下げることを首相自身が決断したからこそ、公明党も賛成して今国会で成立する運びになったのである。にもかかわらず、支持率は低下し続け、各種選挙で自民党公認や推薦候補は連戦連敗している」
<引用終わる
私でさえも、こういう事実があったことは承知している。だが、マスコミ報道は何故か岸田総理の功績というか成し遂げられたことを「立派なことを成し遂げられたのが素晴らしい」という風に取れる報じ方をしていなかったし、寧ろ野党に論調に沿うような「そんな事しか出来ないのか」という感がある報じ方だった。
しかも、多くの報道機関がそこに被せるように、総理の飽くまでも政権維持に執着する姿勢や、独断専行とも見える決断を非難していたので、視聴者は岸田総理には対しては懐疑的になるように誘導されたかの感を禁じ得ない。私には、上記の乾式にキチンと報道すべきだった実績は避けて、ややもすれば「本当にこの総理で大丈夫なのか」と不安にさせる報道の仕方だった感がある。
今日までに繰り返し主張してきたことは「岸田総理とその閣僚も、与野党の国会議員たちも、我々国民が選挙で一票を投じて託した人たちなのである。その総理・閣僚・国会議員を批判し非難することは、天に向かって唾するのと同じ所業であると認識すべきでは」なのだ。自分たちで選んだのである以上、信じてお任せすべきだろうし、選ばれた方々もウロウロせずに期待に応えて貰わないと困る。