新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

ベイスターズの3連勝を分析すれば

2024-11-01 07:47:25 | コラム
野球は「モメンタムのスポーツ」だったと再認識:

昨31日夜の日本シリーズ第5戦は文字通りに、私が常に指摘してきた「アメリカ発祥の球技はモメンタムに大きく左右される」を画に描いたように立証して見せていた。ある熱心なベイスターズ支持者でさえ「1勝4敗か」と諦めかけていたホークスを相手にして、本拠地を離れた福岡で「まさか!」の3連勝、それも最初の試合の1回の1失点に止めて26回をゼロに食い止めたという素晴らしい成績。

言うなれば、ホームの横浜ではリーグ制覇のジャイアンツを退けたモメンタムを失いかけていたが、移動日を挟んだ第3戦目で回復し、後はその勢いを失うことなく3連勝したのだった。しかも、昨夜のように左打者を5人も並べたベイスターズに対して起用した左投げの大津が最初からフラついていても1、2回とチャンスを逃していたので不味いなと思っていれば、期待薄だった筒香が打って先取点となった。

私はその後からの小久保監督のリリーフ投手起用の失敗が致命傷になったと思うのだ。即ち、「左打者に対しては左投手」という迷信に従って、実績がない松本晴と前田純を使って墓穴を掘ったのだった。そこでモメンタムを充分に取り戻したベイスターズでは当たっていなかったはずの牧が3ランホームランを打ち込んで、殆ど勝敗を決定してしまった。げに恐ろしきは「モメンタム」なのである。

勝負とはそんなもので、その後に使った右投げの杉山も津森も無失点なのだった。投手起用の順番を誤っていたと言える。一方のベイスターズは当方の評価が低い桑原は良く打ったし、守れば鮮やかなダイビングキャッチを演じて味方の危機を救ったのだった。投手も中4日だったかのジャクソンが7回までベイスターズの山川と近藤を封じ込めた大好投。救援投手たちも立派に役目を果たしていた。

ここまではベイスターズにとっては良い事ずくめだったが、問題はここから先の1日の移動日が入ってからの横浜スタジアムでの2試合である。と言うのは、移動日が入った後の福岡では未だまだら模様であるとは言え、打線が当たりを見せてきたし、投手陣は悲観的な予想をものともしなかった出来映えだった。即ち、移動日が入った後もベイスターズがモメンタムを維持できるのかという問題だ。

一方のホークスとてもパシフィック・リーグの勝者としては黙っている訳にもいくまいから、何とかして第2戦までの勢いを取り戻そうと懸命になって挑んでくるだろう。それが叶うかどうかが勝負の分かれ目になるだろう。私は「モメンタムを失った方が負ける」と見ている。

ホークスでは山川穂高だってアウトサイド低目の変化球を空振りばかりしている訳にも行くまい。近藤健介だった足が痛いのとか言っていられまい、大谷君は亜脱臼を克服してWS制覇に持っていったのだから。有原とモイネロが当たってきたベイスターズを抑えてくれるかが鍵を握っているのではないか。

でも、三連勝して見せた三浦大輔監督率いるベイスターズには「お見それしました。失礼いたしました」とお詫びして終わる。


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