![]() | 一橋大学ビジネススクール「知的武装講座」伊丹 敬之,沼上 幹,伊藤 邦雄,小川 英治プレジデント社このアイテムの詳細を見る |
2010年8月12日付けの日経新聞より。
経済教室で一橋大学の伊藤邦雄氏の寄稿がおもしろい。失われた20年をどう乗り越えるかという観点から、企業経営のあり方を考える記事である。
経営学者ゲイリー・ハメルの『経営の未来』よりのことばとして、「業務や製品のイノベーションより『経営』のやり方自体のイノベーションが必要だ」説く点を引用しての説である。
まず経営は未来志向であるべきで、「人材育成の変革を行うこと」第一に必要であるとする。
具体的には、これまでの日本企業の弱みであった部分最適志向から全体最適に向けて、全体最適型プロデューサー人材の育成の必要性を説く。
プロデューサー型人材が担うのは「利益の多泉化」を担う人材であるという。
経営側からできることの一つとして、日頃社員が視野狭窄に陥らない仕組みを築くことが必要であるとする。
第二に、全体最適の範囲を広げ、営業、開発、物流の範囲も含め組織内の横のつながりをつくるということ。
第三に、大企業とベンチャーの連携を押し進めること。
第四に既存産業間の壁をのりこえ、異業種での連合を促進することの必要性を説く。