とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

「一番のがんは学芸員」

2017-04-20 07:21:17 | 社会
 山本幸三地方創生担当相が日本の観光振興に関して「一番のがんは学芸員」などと発言した。おそまつな発言だ。学芸員も観光マインドをもってほしいという意図だと釈明しているが、観光という流行に流されないのが学芸員の仕事であろう。なんでもかんでも経済に結びつけるのも問題だし、目先の利益しか考えられない打算的な発想も問題である。問題のある大臣が多すぎる。

 不易流行という言葉がある。不易とは変わらないこと、流行とは移り変わること、不易流行はその両方が大切だということである。観光に流されてしまうと、本当に大切なものが失われてしまう。学芸員は流行にまどわされまいと頑張らなくてはならない存在なのである。

 科学の世界でも、経済につながる実用的な科学技術を奨励し基礎研究をおろそかにする傾向があると聞く。しかし基礎研究こそが日本社会の土台である。日本は確かな基礎的な科学力があったからこそ、資源がないのにもかかわらず、世界の中で今の地位にいるのである。地道な努力が近年のノーベル賞の毎年の受賞につながっているのだ。

 古いものを馬鹿にしてはいけない。「未来は今」という言葉があるが、「過去は今」であり、「過去は未来」なのだ。そして「未来は過去」でもあるのだ。
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