とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『高校生が生きやすくなるための演劇教育』(いしいみちこ・著)

2017-06-14 07:33:39 | 読書
 演劇教育は昔からある。外国では演劇教育が盛んだという話を聞いたことがある。演劇教育の伝統があり、それによってコミュニケーション能力が高まり、第三者との議論もできるようになるし、またその逆に自分自身を見つめることもできる。しかし、日本では演劇教育は発展しなかった。講義式の一方向型の授業が普通であったためにだれも見向きしなかったのである。そのためコミュニケーション技術の教育は日本での実践例がほとんど紹介されていない。

 しかし教育観では対話型の授業が期待されている。演劇教育の重要性が高まってきているのである。問題は実践しようとしてもどのような実践をすべきなのか実践例が少ないということである。

 この本は福島で演劇教育の実践をしてきたいしいみちこさんの奮闘記である。特に高校での演劇教育の実践例は貴重な資料である。とても刺激になり自分もやってみたいと感じた。ただし、いしいさんのように高校生の内面にあまりに入り込むことは、「裸のつきあい」を受け持っている生徒全員としているようなものである。危なっかしくて私にはできない。はたして学校教育の中でここまでやっていいのかと思うと疑問に感じる。

 いずれにしても今後演劇教育は必要とされている。今後体系化し、他の教員も実践の参考になるような研究成果を期待したい。いしいさんにはその先導者として活躍してくれることに感謝し、今後の活躍に期待したい。がんばってください。
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