元東北大学の教授、野家啓一氏のことばである。野家氏の講義を放送大学の面接授業で聴いたことがある。非常に難解な現代哲学をわかりやすい説明してくれた。もちろん、そもそもがむずかしいので結局はよくわからなかったのではあるが、野家先生の語ることばは丁寧であり、また思考の流れに沿っていたので少なくとも聞いているときはわかったような気がした。野家先生のことば間接的な「教科書のことば」ではなく、直接私に届くことばであった。それは野家先生のことば自分で経験し格闘して得たものだったからであろう。
「経験は物語られることによって初めて経験へと転成を遂げる」ということばは「ことば」の意義を物語っている。人間は新しいことを学び、未知と出合い、冒険をして様々な経験をしていかなければ成長しない。つまり自分を外部に開いていかなければならないのだ。そしてそのような新たな経験は「ことば」にして語られなければ自分のものになっていかない。
「ことば」によって人類の歴史が誕生し、積み重なった経験が人類の知恵となった。「ことば」と格闘していくことは大切なことだと改めて気づかされることばである。
「経験は物語られることによって初めて経験へと転成を遂げる」ということばは「ことば」の意義を物語っている。人間は新しいことを学び、未知と出合い、冒険をして様々な経験をしていかなければ成長しない。つまり自分を外部に開いていかなければならないのだ。そしてそのような新たな経験は「ことば」にして語られなければ自分のものになっていかない。
「ことば」によって人類の歴史が誕生し、積み重なった経験が人類の知恵となった。「ことば」と格闘していくことは大切なことだと改めて気づかされることばである。