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山形市民会館で『Home,I'm Darling~愛しのマイホーム 』を見ました。表面とは逆に現代の不安を描くよくできた演劇でした。
作 ローラ・ウェイド
演出 白井晃
出演 鈴木京香 高橋克実 銀粉蝶 青木さやか 江口のりこ 袴田吉彦
主人公は50年代のアメリカの生活スタイルにあこがれ、50年代のアメリカのような生活をしている現代の中年夫婦である。妻はリストラの対象になったことにより、専業主婦になることを選び、50年代のアメリカスタイルの生活を演じるようになる。しかしその生活は金がかかる。夫の昇格を望むがうまくいかず、家のローンは滞ってしまう。夢のような生活の足下から、ギスギスした現実がじわりじわりと姿を見せ始める。
現代は安定感がない。次から次へと変化が訪れ、その変化についていけなければ生きていくことがむずかしい。自分の望む生活なんかありはしない。ただ何かに追いかけれらながら生きていくしかない。そんな現実の中で、人間関係は崩れていき、現実はどんどん厳しくなっていく。
この演劇は表面上は華やかなものだが、事実は逆である。それをうまく描いた作品だった。よくできた演劇だった。
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