ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

面河第3ダム

2018-04-13 16:07:05 | 愛媛県
2018年3月26日 面河第3ダム
 
面河第3ダムは愛媛県上浮穴郡久万高原町中津の仁淀川本流上流部にある四国電力が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
水量豊富な仁淀川上流域では昭和初期から伊予電鉄(当時)によって電源開発が進められ、電力管理法や配電統制令による日本発送電及び四国配電の接収ののち、戦後の電気事業再編政令により四国電力が事業を継承しました。
面河第3発電所も戦前伊予電鉄によって建設された発電所ですが、発電能力増強のために1980年(昭和55年)から再開発が行われ1984年(昭和59年)に新生面河第3ダムおよび面河第3発電所が竣工しました。面河第3発電所では最大出力2万2000キロワットのダム式水力発電を行っています。
 
面河第3ダムは国道33号線にあり、久万高原町の柳谷大橋から高知方面に進むと右手にダム湖が広がってきます。
左岸ダムサイトの四国電力の門扉前に車を止めて見学します。
巨大なローラーゲートが4門、堤高は42メートルありますが基礎地盤が水中に没しているためそれほどの高さには見えません。
 
ゲートピアのジグザグの階段が目立ちます。
 
ダム敷地は立ち入り禁止。
対岸左手が面河第3発電所です。
発電所の有効落差は52メートルなので発電所は相当深い場所に作られたようです。
 
上流から。
 
インクラインや桟橋はなく巡視艇はクレーンで昇降させます。
 
下流の橋から
いかにも発電用ダムといった風。
 
ダム直下の河原へ下りることができました。
すぐ左手が面河第3発電所になります。
 
それにしても大きなローラーゲートです。
 
追記
面河第3ダムはは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに390万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2279 面河第3ダム (1311)
仁淀川水系仁淀川
42メートル
162メートル
6218千㎥/2410千㎥
四国電力
1984年
◎治水協定が締結されたダム

関地池

2018-04-13 11:22:57 | 愛媛県
2018年3月25日 関地池
 
関地池は愛媛県西予市宇和町信里の肱川水系宇和川にある灌漑用目的のアースフィルダムです。
関地池の起源は古く江戸初期の寛永12年(1635年)に、宇和島藩初代藩主伊達秀宗の命により築造されたとされています。
戦後1952年(昭和27年)から1962年(昭和32年)にかけて農林省(現農水省)の補助を受けた県の事業により大規模な拡張工事が行われ現在の規模となりました。
管理は西予市上町土地改良区が行っています。
関地池の由来について現地説明板では、当初難工事で築造が進まない中『お関』という名の親子連れの巡礼が人柱になることを申し入れ、その後工事がはかどっったそうです。そこで『お関』さんのおかげでできた池ということで関地池になったと書かれています。
江戸時代の溜池築造に際しては各所にこのような人柱の伝承が残っています。
一方池の左岸には池に向かってボールを打つ水上ゴルフ場があります。広島県福山市の溜池ではおなじみですが、四国では西条市の城ノ谷池でゴルフ場跡を見かけただけ。四国で営業している水上ゴルフ場は関地池だけのようです。
 
国道56号線に関地池公園や宇和水上ゴルフ場を示す看板があり、これに従うと池の堤体が見えてきます。
訪問時は桜祭りに備えて多くの吹き流しや幟が立てられていました。
堤体は2段に見えますが、これは堤体中段を道路が通っているためです。
 
右岸に洪水吐があり、数日前までの雨で水位が上がった影響で越流しています。
転波により鱗が見えます。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
左岸の斜樋。
 
総貯水容量100万立米と溜池としては大規模な貯水池。
左岸に水上ゴルフ場があります。
 
水上ゴルフ場をズームアップ
「池に向かって打て!」
かなりの盛況です。
 
天端は車両通行可能
桜祭りの幟が立っていますが桜はまだまだ蕾、代わりに菜の花が満開です
桜祭り際には天端が来場者の車でいっぱいになるそうです。
 
下流面と祭りの吹き流し。
 
左岸の洪水吐
緩やかに湾曲しており、右岸側壁の洗堀を防ぐために中央に導流壁が作られています。
 
越流部
突起はゴミや流木の流下を防ぐためのものでしょうか?
 
2251 関地池(1310)
ため池コード
愛媛県西予市宇和町信里
DamMaps
肘川水系宇和川
22.5メートル
155メートル
1000千㎥/1000千㎥
西予市宇和町土地改良区
1962年