2018年3月24日 志河川ダム
志河川(しこがわ)ダムは愛媛県西条市丹原町志川の中山川水系志河川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
少雨に加えて大河のない愛媛県の道前・道後両平野への水利を図るため、仁淀川水系から流域変更により両平野に導水する道前道後平野農業水利事業が1967年(昭和42年)に竣工し、両地区は安定した用水確保という悲願を達成しました。
しかし1980年代に入り施設の老朽化や稲作から園芸農業への転換など、社会・農業情勢の変化により新たな用水確保が迫られてきました。
そこで農水省は『道前道後平野農業水利事業Ⅱ期』に着手し、新たな道前平野向け水源として2010年(平成22年)に志河川ダムが竣工しました。
志河川ダムは道前平野における面河ダムの補給がない期間(10月7日~6月5日)における農業用水の補給を行っており、管理は道前平野土地改良区が受託しています。
また2016年(平成28年)には利水放流を利用した志河川ダム発電所が増設され、最大49.9キロワットの小水力発電が開始されています。
道前道後平野農業水利事業概要図(農水省HPより)

国道11号線に志河川ダムを示す標識があり、これに従うとダムが見えてきます。
まず目につくのがコートの襟を立てたような漸縮型堤体導流壁。

導流壁は左岸に偏り左右非対称になっています。
加えて転波越流も美しい。

左岸上流から
満水です。

インクラインはなく浮桟橋に巡視艇が繋留されています。

転波越流の鱗がきれいです。

減勢工にはバッフルピアが5基並びその下流にエンドシルがあります。
右手は利水放流設備。

天端からは燧灘が遠望できます。

ダム湖は総貯水容量130万立米。

天端は車両通行可能
打ちっぱなしの取水設備建屋のデザインも斬新。

こちらから見ても取水設備のデザインが際立ちます。

新しいダムということでコンクリートが美しいということもありますが、特徴的な導流壁といい取水設備の斬新なデザインとしいスタイリッシュな志河川ダムです。
3001 志河川ダム(1300)
愛媛県西条市丹原町志川
中山川水系志河川
A
G
48.2メートル
117メートル
1300千㎥/955千㎥
道前平野土地改良区
2010年