ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

坂本ダム

2018-04-18 17:19:57 | 高知県
2018年3月27日 坂本ダム
 
坂本ダムは高知県宿毛市橋上町坂本の松田川本流上流部にある高知県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、松田川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、利水放流を利用した四国電力坂本発電所での最大1100キロワットのダム式水力発電を目的として2000年(平成12年)に竣工しました。
 
ダム下からダムが見えますが、両岸に阻まれ全体を見ることはできません。
 
ダム左岸の道路からダムの全容が望めます。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲート11門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート2門のほか低水放流設備1条を備えています。
 
天端から
堤趾導流壁から続く背の高い導流壁とがっちりしたエンドシル。
左手は河川維持放流を利用した四国電力坂本発電所。
 
ダム湖はどんぐり湖。
総貯水容量1815万立米と県ダムの貯水池としてはかなりの規模です。
 
天端は車両通行可能
左手にロッジ風の管理事務所があります。
 
波返しのついたガッツリ系の堤趾導流壁。
 
左岸には建設工事で使われたケーブルクレーンの遺構が残っています。
 
クレストゲートの越流部は上流側にセットバック。
 
上流面
ダム中央にエレベータ棟、オリフィスゲート2門を挟んで取水設備。
 
上流から
管理事務所裏手から高ーーいインクラインが伸びています。
 
追記
坂本ダムには1437万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに173万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2325 坂本ダム(1325
高知県宿毛市橋上町坂本
松田川水系松田川
FNP
60.3メートル
193.5メートル
18150千㎥/16100千㎥
高知県土木部
2000年
◎治水協定が締結されたダム

山財ダム

2018-04-18 15:35:40 | 愛媛県
2018年3月27日 山財ダム
 
山財(さんざい)ダムは愛媛県宇和島市津島町山財の岩松川上流にある愛媛県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、岩松川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、旧津島町への灌漑用水と上水道用水の供給を目的として1980年(昭和55年)に竣工しました。
 
左岸を県道319号が通り、ダムサイトに管理事務所と駐車場があります。
これは左岸から
ダムを下流から見れる場所はありません。
 
クレストにはローラーゲートを2門装備。
ゲート越しにみた導流面と減勢工です。
岩松川下流に上水道の取水堰があるため、利水放流はかなり多め。
 
利水放流
ローラーゲートの導流部の右側に導流壁を挟んでもう一つ導流部があります。
これは自然調節式のオリフィスゲートの導流部です。
 
左岸の艇庫とインクライン。
 
天端。
 
右岸から
正面が管理事務所。
 
ダムカードを貰いに事務所に行きダムを下から見れる場所はありませんか?と伺うとなんとなんと監査廊とダム下に案内していただけました。
感謝、感謝!
 
ダム下に降りてわかりましたが、クレストのローラーゲートのほかに高圧ラジアルゲートのコンジットがあります。
目の前がコンジットゲート操作室。
 
下流面とフーチング。
 
上流から
ここから見るとゲート構造がよくわかります。
左から取水設備、ローラーゲート2門と間にコンジットゲートの予備ゲート、さらに右手にオリフィスゲートがあります。
 
ダム湖(鷺里湖)は総貯水容量650万立米。
湖畔の桜が満開。
 
今回は職員さんのご厚意で監査廊とダム下に立ち入ることができました。
昭和50年代施工ということでゲートと自然調節式ゲートが混在したコンクリートダムです。
 
追記
山財ダムには406万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに72万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2273 山財ダム(1324
愛媛県宇和島市津島町山財
岩松川水系御代の川
FNAW
64メートル
205メートル
6500千㎥/5900千㎥
愛媛県土木部
1980年
◎治水協定が締結されたダム

須賀川ダム

2018-04-18 14:24:12 | 愛媛県
2018年3月27日 須賀川ダム 
 
須賀川ダムは愛媛県宇和島市柿原の須賀川本流中流部にある愛媛県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、須賀川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給補給、宇和島市への上水道の供給を目的として1975年(昭和50年)に竣工しました。
 
宇和島市中心部から国道320号線を東に進むとすぐに須賀川ダムに到着します。
下流から
クレストにラジアルゲート2門、コンジットに高圧ラジアルゲート1門を装備したいかにも昭和40年代着工の県営ダムといった風です。
須賀川沿いの桜はちょうど満開を迎えていました。
 
ダム下への接近はここが限度。
 
ダム湖畔が公演のため天端は車両が通行できます。
 
下流面。
 
導流部と減勢工。
 
ダムは宇和島市街そばにあり、文字通り『宇和島の守り神』です。
 
ダム湖右岸は公園になっており湖畔の桜は満開。
 
ダム湖(若山湖)は総貯水容量305万立米。
周辺の山桜も満開です。
 
左岸を国道が通り、ダムサイトに管理事務所と艇庫、インクラインが並びます。
 
上流面
クレストゲートの間にコンジットの予備ゲートがあります。
 
追記
須賀川ダムには150万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに22万立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2268 須賀川ダム(1323
愛媛県宇和島市柿原
須賀川水系須賀川
FNW
40.2メートル
159.5メートル
3050千㎥/2930千㎥
愛媛県土木部
1975年
◎治水協定が締結されたダム

竜沢寺池

2018-04-18 13:03:28 | 愛媛県
2018年3月27日 竜沢寺池
 
竜沢寺池は愛媛県西予市城川町魚成の肱川水系魚成川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧にはダム事業者により1955年(昭和30年)に竣工と記されており、農林省(現農水省)・県の補助を受けた団体営事業で建設されたと思われます。
池の管理は城川町土地改良区が行っています。
竜沢寺は14世紀初頭に創基され禅宗の名刹で、3700坪の広大な敷地に桃山様式の伽藍を配しており池は寺の奥に位置しています。
池周辺はキャンプ場やバンガロー、バーベキューハウスなどを備えた竜沢寺緑地公園となっており、竜沢寺ともども南予の観光スポットの一つです。
 
庭園の先に竜沢寺池の堤体が見えます。
非常に美しい眺めなのですが、生憎の逆光。
 
堤体左岸から流下する洪水吐導流部。
 
天端は車両通行可能。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
 
上流面は谷積の石で護岸されています。
 
総貯水容量は10万立米。
 
天端から。
 
花が美しい竜沢寺山門。
 
枝垂れ桜も満開。
 
竜沢寺の庭園の桜も、緑地公園の桜もほぼ見ごろ
素晴らしい環境にある竜沢寺溜池でしたが、生憎の逆光でうまく撮影できなかったのが至極残念。
 
2249 竜沢寺池(1322)
ため池コード
愛媛県西予市城川町魚成
DamMaps
肘川水系魚成川
22.3メートル
99メートル
100千㎥/100千㎥
城川町魚成土地改良区
1955年

東蓮寺ダム(東蓮寺池)

2018-04-18 01:45:18 | 愛媛県
2018年3月27日 東蓮寺ダム(東蓮寺池)
 
東連寺ダムは愛媛県宇和島市吉田町沖村の立間川水系河内川上流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
農水省の南予用水農業水利事業で既存の東蓮寺池を再開発し1996年(平成8年)に竣工しました。
南予用水土地改良区連合が受託管理し、宇和島市の旧吉田町一帯の果樹園に灌漑及び防除用水を補給しています。
なおダム便覧では東蓮寺池となっていますが、管理者は東蓮寺ダムの名称を使用しているのでここでも東蓮寺ダムと記すことにします。
 
下流から、
愛媛らしくダム下もミカン農地です。
 
右岸高台から
堤体に芝が張られ、一見アースに見えますがロックフィルです。
ダム周辺の桜はちょうど満開。
 
ダム下も整備され桜が植えられています。
左奥の白い建物は揚水機場です。
 
貯水池を周回する道路があり、天端も車両通行可です。
 
上流面
こちらを見るとロックフィルダムとわかります。
左岸に洪水吐と管理事務所があります。
 
斜樋。
 
下流面
どう見てもアースフィルダム。
 
横越流式洪水吐。
 
 
国営事業で整備されて20年、非常にきれいに整備されており宇和島周辺のミカン農地にとっては貴重な水源であることが分かります。
桜も満開、いい時期に訪問できました。
 
2277 東蓮寺ダム(東蓮寺池)(1321
愛媛県宇和島市吉田町沖村
立間川水系高畑川
38.1メートル
170メートル
963千㎥/954千㎥
南予用水土地改良区連合
1996年