ハンバーガーを食ったことが、ほとんどない。
マクドナルドのハンバーガーは、100円になったときに、一度だけ食った。
デザイン的に、いいフォルムをしていたが、味はそこそこに感じた。
ファーストキッチンのハンバーガーは、食ったことがない。
ロッテリアは、近くにないので食ったことがない。
モスバーガーは、「一番美味いよ。あれこそ本物だよ」と言われて一度食ったが、普通だな、としか感じなかった。
照り焼きハンバーガーは、私の得意料理の一つである。
厚さ1センチの自家製ハンバーグを照り焼きにして、レタスとトマトをのせて、バンズではさむ。
たったそれだけのものだが、家族は「商品化できる」とまで評価してくれた。
お世辞ではあるが、悪い気はしない。
85点くらいは、やってもいいか、と勝手な自己採点。
しかし、いずれにしてもハンバーガーは、あまり好きになれない。
私自身が、肉があまり好きではないというのもあるかもしれないが、他の肉料理と比べるとハンバーガーは、はるかに食いやすいものだ。
それなのに、好きになれないのは、どうしてか、と思っていた。
その理由が、昨日、少しではあるが、わかったような気がした。
昨日、秋葉原のマクドナルドでマックフライポテトを食いながらコーヒーを飲んでいたときのことだ。
私の席の隣に、女子大生風の女性がふたり座った。
その中のひとりが、おそらくハーフと思われるエギゾチックな顔立ちをした人だった。
上品で整った小顔。
肌もきれいで、睫毛の長さが際立っていた。
ようするに、相当な美形だ。
男ばかりでなく、女も振り返るような美人。
実際、店にいた女子高生らしき集団が、彼女を指さして「モデルじゃん!」と言っているのが聞こえた。
世の中には、きれいな人がいるもんだ、と感心して、頻繁に盗み見をした。
美しい。
ただ、それもハンバーガーを食べるまでのことだった。
ハーフ美女が、ハンバーガーを食べている時、違和感を感じた。
口元が、少し卑しい感じになったからだ。
え? と思った。
あんなに美しい口元が、ハンバーガーを頬張っただけで、少し下品に見えたのである。
顔自体は美しいことは美しいが、どこか微妙に崩れた様は、小さな衝撃と言ってよかった。
そして、そのとき、俺が、ハンバーガーが嫌いな理由の一つは、これだったんだ、とはじめて気づいたのだ。
下品な口元。
卑しい口元。
俺は、これが嫌いだったのだ。
たとえば、何かやましいことを体全体に詰め込んだ政治家の口元は下卑て見える。
消費者の視点を無視して、儲けることしか考えない企業のトップの口元は下品だ。
ビールのCMに出ている大物ロック歌手が歌う口元は、何か卑しい感じがする。
レギュラー番組をたくさん持つ関西の大物MCの口元は、何を言っても下品である。
私は、そんな口元が嫌いだ。
だから、誰もが、それを食べるとき、どこか卑しい感じを漂わせるハンバーガーが嫌いだったのだ。
ハンバーガーを食べている時の美女の顔を、私は正視できなかった。
美女は、ハンバーガーを食べるべきではない。
マクドナルドのハンバーガーは、100円になったときに、一度だけ食った。
デザイン的に、いいフォルムをしていたが、味はそこそこに感じた。
ファーストキッチンのハンバーガーは、食ったことがない。
ロッテリアは、近くにないので食ったことがない。
モスバーガーは、「一番美味いよ。あれこそ本物だよ」と言われて一度食ったが、普通だな、としか感じなかった。
照り焼きハンバーガーは、私の得意料理の一つである。
厚さ1センチの自家製ハンバーグを照り焼きにして、レタスとトマトをのせて、バンズではさむ。
たったそれだけのものだが、家族は「商品化できる」とまで評価してくれた。
お世辞ではあるが、悪い気はしない。
85点くらいは、やってもいいか、と勝手な自己採点。
しかし、いずれにしてもハンバーガーは、あまり好きになれない。
私自身が、肉があまり好きではないというのもあるかもしれないが、他の肉料理と比べるとハンバーガーは、はるかに食いやすいものだ。
それなのに、好きになれないのは、どうしてか、と思っていた。
その理由が、昨日、少しではあるが、わかったような気がした。
昨日、秋葉原のマクドナルドでマックフライポテトを食いながらコーヒーを飲んでいたときのことだ。
私の席の隣に、女子大生風の女性がふたり座った。
その中のひとりが、おそらくハーフと思われるエギゾチックな顔立ちをした人だった。
上品で整った小顔。
肌もきれいで、睫毛の長さが際立っていた。
ようするに、相当な美形だ。
男ばかりでなく、女も振り返るような美人。
実際、店にいた女子高生らしき集団が、彼女を指さして「モデルじゃん!」と言っているのが聞こえた。
世の中には、きれいな人がいるもんだ、と感心して、頻繁に盗み見をした。
美しい。
ただ、それもハンバーガーを食べるまでのことだった。
ハーフ美女が、ハンバーガーを食べている時、違和感を感じた。
口元が、少し卑しい感じになったからだ。
え? と思った。
あんなに美しい口元が、ハンバーガーを頬張っただけで、少し下品に見えたのである。
顔自体は美しいことは美しいが、どこか微妙に崩れた様は、小さな衝撃と言ってよかった。
そして、そのとき、俺が、ハンバーガーが嫌いな理由の一つは、これだったんだ、とはじめて気づいたのだ。
下品な口元。
卑しい口元。
俺は、これが嫌いだったのだ。
たとえば、何かやましいことを体全体に詰め込んだ政治家の口元は下卑て見える。
消費者の視点を無視して、儲けることしか考えない企業のトップの口元は下品だ。
ビールのCMに出ている大物ロック歌手が歌う口元は、何か卑しい感じがする。
レギュラー番組をたくさん持つ関西の大物MCの口元は、何を言っても下品である。
私は、そんな口元が嫌いだ。
だから、誰もが、それを食べるとき、どこか卑しい感じを漂わせるハンバーガーが嫌いだったのだ。
ハンバーガーを食べている時の美女の顔を、私は正視できなかった。
美女は、ハンバーガーを食べるべきではない。