携帯を持っていても電話に出ないという若者が増えた、という記事をネットで読んだ。
その記事では、「増えた」と書いてあったが、一般論を語るとき、「最近の若者は」という感情が入るから、本当に増えたかどうかはわからない。
増えたかどうかは、その記事を書いた人の主観だ。
「電話に出ない若者が増えた」という記事を書きたいために、その記事に合った事例だけを探している場合もあるからだ。
だから、私は「電話に出ない人がいる」という表現を使う。
その記事を書いた人が何を根拠にしているか知らないが、私のまわりの8人の同業者は、全員が「忙しいときは出ないよ」と答えている。
平均年齢45歳の男たち。
若者ではない。
その彼らが、今に限らず昔から「電話には出ないよ」と答えているのである。
「仕事が忙しいときの電話ほど、腹立たしいことはない」
「用のあるやつは留守電を入れるから、あとで、こちらからかけなおせばいい」
「つまんねえ用で電話をしてきたやつには、嫌みの一つも言ってやる」
そんな風に、お怒りである。
もちろん、私も「出ない派」だ。
電車に乗っているとき、仕事が押して邪魔をされたくないとき、料理をしているときなどは、たいていは出ない。
ディスプレイを見て、こいつなら長電話にならないな、と判断した場合は出るときもあるが、長くなりそうだったら、「悪いな、仕事中だ」と言ってすぐ切る。
緊急の用だった場合、留守電を入れてくれることが多いので、そのときは、留守電を聞いて判断する。
留守電を聞いても、緊急だと私が認めない場合は、そのままにしておく。
そして、状況が落ち着いてからかける。
たいていは、これで問題はない。
たまに、「何で出ないんだよ!」と怒る得意先がいるが、「申し訳ありません」だけで、言い訳はしない。
その一言で、出られない状況だから出られなかった、ということを暗にほのめかすのだが、それでも文句を言ってきた場合は、怒鳴るように「申し訳ありません!」と言えば、たいていは黙る。
私の場合は、出ないだけでなく、電話をかける回数も極端に少ない。
人が「何をしているか分からない状況」のときに、電話をかけるほどの「度胸」が、私にはないからだ。
私には、相手の状況を予想する想像力が、まったく備わっていない。
その予想できない状況の中で、相手の時間を私のために割いてもらう厚かましさも、私にはない。
だから、ほとんどすべてのことをメールで済ます。
メールなら、極端に相手の時間を奪うということはない。
空いた時間に、好きなときに、返信してくれればいい。
それで、何の不都合もない。
5年以上前から、私はそのように、得意先の方々、同業者、友人たちに宣言していたから、「無礼な電話」は、確実に減った。
だが、ただ一つ、そんな私のルールが通用しないところがある。
病院である。
高齢の母が、入退院を繰り返しているが、私は本当に緊急の用のときだけ、留守電を入れておいてください、他のことはメールでお知らせください、とお願いした。
だが、病院の事務の方や看護師さんは、それほど緊急の用でもないのに、電話をかけてくるのである。
できればメールで…、とお願いしても、「聞いてませんから」と拒絶される。
事務の責任者と看護師長さんに言っておけば伝わるかと思ったが、どうやら引き継ぎをしていただけなかったようだ。
他の方にも伝えていただけますか、とお願いしても、また電話がかかってくる。
私が、緊急でなければメールを…、と言うと「それ、聞いてませんから!」と逆ギレされる。
先日は、「洗濯物がたまっているので取りにきてください」という留守電が入っていた。
まあ、行きますけどね……、それはメールでもいいんじゃないんでしょうか。
それほど、緊急性はないみたいですけど。
私がそう言ったら、看護師さんが、大きな声で「病院からの電話は、みんな緊急です!」と言って、電話を切ったのである。
病院からの電話は、着信拒否をするわけにいかない。
勝手なお願いだというのは承知だが、もうすこし融通が利いてもいいのではないかと思う。
いま、かなりの「病院電話恐怖症」にかかっている私なのです。
その記事では、「増えた」と書いてあったが、一般論を語るとき、「最近の若者は」という感情が入るから、本当に増えたかどうかはわからない。
増えたかどうかは、その記事を書いた人の主観だ。
「電話に出ない若者が増えた」という記事を書きたいために、その記事に合った事例だけを探している場合もあるからだ。
だから、私は「電話に出ない人がいる」という表現を使う。
その記事を書いた人が何を根拠にしているか知らないが、私のまわりの8人の同業者は、全員が「忙しいときは出ないよ」と答えている。
平均年齢45歳の男たち。
若者ではない。
その彼らが、今に限らず昔から「電話には出ないよ」と答えているのである。
「仕事が忙しいときの電話ほど、腹立たしいことはない」
「用のあるやつは留守電を入れるから、あとで、こちらからかけなおせばいい」
「つまんねえ用で電話をしてきたやつには、嫌みの一つも言ってやる」
そんな風に、お怒りである。
もちろん、私も「出ない派」だ。
電車に乗っているとき、仕事が押して邪魔をされたくないとき、料理をしているときなどは、たいていは出ない。
ディスプレイを見て、こいつなら長電話にならないな、と判断した場合は出るときもあるが、長くなりそうだったら、「悪いな、仕事中だ」と言ってすぐ切る。
緊急の用だった場合、留守電を入れてくれることが多いので、そのときは、留守電を聞いて判断する。
留守電を聞いても、緊急だと私が認めない場合は、そのままにしておく。
そして、状況が落ち着いてからかける。
たいていは、これで問題はない。
たまに、「何で出ないんだよ!」と怒る得意先がいるが、「申し訳ありません」だけで、言い訳はしない。
その一言で、出られない状況だから出られなかった、ということを暗にほのめかすのだが、それでも文句を言ってきた場合は、怒鳴るように「申し訳ありません!」と言えば、たいていは黙る。
私の場合は、出ないだけでなく、電話をかける回数も極端に少ない。
人が「何をしているか分からない状況」のときに、電話をかけるほどの「度胸」が、私にはないからだ。
私には、相手の状況を予想する想像力が、まったく備わっていない。
その予想できない状況の中で、相手の時間を私のために割いてもらう厚かましさも、私にはない。
だから、ほとんどすべてのことをメールで済ます。
メールなら、極端に相手の時間を奪うということはない。
空いた時間に、好きなときに、返信してくれればいい。
それで、何の不都合もない。
5年以上前から、私はそのように、得意先の方々、同業者、友人たちに宣言していたから、「無礼な電話」は、確実に減った。
だが、ただ一つ、そんな私のルールが通用しないところがある。
病院である。
高齢の母が、入退院を繰り返しているが、私は本当に緊急の用のときだけ、留守電を入れておいてください、他のことはメールでお知らせください、とお願いした。
だが、病院の事務の方や看護師さんは、それほど緊急の用でもないのに、電話をかけてくるのである。
できればメールで…、とお願いしても、「聞いてませんから」と拒絶される。
事務の責任者と看護師長さんに言っておけば伝わるかと思ったが、どうやら引き継ぎをしていただけなかったようだ。
他の方にも伝えていただけますか、とお願いしても、また電話がかかってくる。
私が、緊急でなければメールを…、と言うと「それ、聞いてませんから!」と逆ギレされる。
先日は、「洗濯物がたまっているので取りにきてください」という留守電が入っていた。
まあ、行きますけどね……、それはメールでもいいんじゃないんでしょうか。
それほど、緊急性はないみたいですけど。
私がそう言ったら、看護師さんが、大きな声で「病院からの電話は、みんな緊急です!」と言って、電話を切ったのである。
病院からの電話は、着信拒否をするわけにいかない。
勝手なお願いだというのは承知だが、もうすこし融通が利いてもいいのではないかと思う。
いま、かなりの「病院電話恐怖症」にかかっている私なのです。