ジャイアンツの原監督がお辞めになるという見出しが、ネットのトップニュース扱いで載っていたのを見た。
ジャイアンツ・ファンの方たちには申し訳ないが、めでたい。
これで、私の知っているジャイアンツの人が、サカモト選手だけになった。
ただ、サカモト選手にしても、よく行く居酒屋の女性店長代理が好きだというから名前を知っているだけで、サカモト氏がピッチャーなのかバッターなのか私は知らない。
顔も知らないのである。
プロ野球系ニュースも野球中継も高校野球を含めて30年近く見ていない。
スポーツ紙も読まない。
ついでに言えば、新聞全国紙も読まない。
たとえば、ジャイアンツの新しい監督が私の知らない人で、顔も知らないサカモト氏がどこかの球団に移籍したら、清々しいほど私が知らないチームが出来上がる。
それは、実にめでたいことだ。
どうでもいいことだが、私は他のチームの選手のことも監督のこともよく知らない。
(名前と顔が一致するのは、中畑清氏、工藤公康氏、大谷翔平氏、ウラディミール・バレンティン氏、斎藤隆氏、松井稼頭央氏、西岡剛氏くらいのものである)
どうか、新しい監督は、私の知らない人にしていただきたい。
そして、サカモト氏をジャイアンツから解放して欲しいと思う。
そんな風に拝んでいたら、大学時代の友人・シバタから電話があった。
「あのな・・・怒るかもしれないけどな・・・」
俺は怒らないよ。
腹を立てるだけだ。
「あのな・・・ナカハタが辞めたじゃないか」
主語と動詞は理解したが、そのほかが理解できない。
ナカハタ氏は、何を辞めたのだ。
酒とタバコと女とギャンブル?
あるいは、酒とタバコと男とギャンブル?
「監督をだ!」
シバタは、典型的なアホなジャイアンツ・ファンだった。
神奈川で生まれ名古屋で高校までを過ごしたシバタは、そこではドラゴンズ・ファンだった。
だが、東京の大学に入ってからは、長いものに巻かれるようにジャイアンツ・ファンになった。
そして、たまに帰省するとドラゴンズ・ファンに戻った。
さらに、シバタは中畑清氏が好きだったので、中畑氏がベイスターズの監督になったとき、簡単にベイスターズ・ファンに鞍替えした。
私が推測するに、その中畑氏がベイスターズの監督を辞めたことによって、シバタはまたジャイアンツ・ファンに戻ろうとしているのではないか。
要するに、シバタは節操がなく常に多数派を拠り所とする、スタンダードなジャイアンツ・ファンなのだ。
自分の意見を持っていない。
「それに、ほら、俺はヨシノブも好きだからさ。今度監督になった」
また難解な言葉が出てきましたよ。
ヨシノブ? 何?
それは、苗字なのか?
それに、形容詞が抜けているぞ。
どこの監督になったんだ。
「馬鹿だな、おまえ、タカハシのことだよ!
だからぁ、巨人に決まっているだろうが!」
そんなの知るわけないだろうが。
野球無知な人間に、ヨシノブって言って通じると思うお前のほうが馬鹿だ。
じゃあ、おまえは俺が「アントニ・クラーベ」と言ったら、すべてがわかるのか。
「ア・・・アント・・・?」
「何だそれ?」
つまりは、そういうことだよ。
わからない人間に、わからない言葉を言ってもわかるわけがない。
「まあ、いいや! とにかく俺はジャイアンツ・ファンに戻る。後で知ったら何を言われるかわからないから、いま言っておく。いいな! 間違いなく言ったからな!」
電話が切れた。
そんな、つまらないことを言うために電話をしてきたのか。
おまえ、あと2年で還暦だぞ。
大丈夫か。
しかも、シバタは無神経極まりない男だった。
そのせいで、タカハシヨシノブって名前を覚えてしまったではないか。
顔も知らないタカハシヨシノブさん。
迷惑な話でしょうが、今すぐ監督を辞退していただきたい。
よろしくお願いします。
ジャイアンツ・ファンの方たちには申し訳ないが、めでたい。
これで、私の知っているジャイアンツの人が、サカモト選手だけになった。
ただ、サカモト選手にしても、よく行く居酒屋の女性店長代理が好きだというから名前を知っているだけで、サカモト氏がピッチャーなのかバッターなのか私は知らない。
顔も知らないのである。
プロ野球系ニュースも野球中継も高校野球を含めて30年近く見ていない。
スポーツ紙も読まない。
ついでに言えば、新聞全国紙も読まない。
たとえば、ジャイアンツの新しい監督が私の知らない人で、顔も知らないサカモト氏がどこかの球団に移籍したら、清々しいほど私が知らないチームが出来上がる。
それは、実にめでたいことだ。
どうでもいいことだが、私は他のチームの選手のことも監督のこともよく知らない。
(名前と顔が一致するのは、中畑清氏、工藤公康氏、大谷翔平氏、ウラディミール・バレンティン氏、斎藤隆氏、松井稼頭央氏、西岡剛氏くらいのものである)
どうか、新しい監督は、私の知らない人にしていただきたい。
そして、サカモト氏をジャイアンツから解放して欲しいと思う。
そんな風に拝んでいたら、大学時代の友人・シバタから電話があった。
「あのな・・・怒るかもしれないけどな・・・」
俺は怒らないよ。
腹を立てるだけだ。
「あのな・・・ナカハタが辞めたじゃないか」
主語と動詞は理解したが、そのほかが理解できない。
ナカハタ氏は、何を辞めたのだ。
酒とタバコと女とギャンブル?
あるいは、酒とタバコと男とギャンブル?
「監督をだ!」
シバタは、典型的なアホなジャイアンツ・ファンだった。
神奈川で生まれ名古屋で高校までを過ごしたシバタは、そこではドラゴンズ・ファンだった。
だが、東京の大学に入ってからは、長いものに巻かれるようにジャイアンツ・ファンになった。
そして、たまに帰省するとドラゴンズ・ファンに戻った。
さらに、シバタは中畑清氏が好きだったので、中畑氏がベイスターズの監督になったとき、簡単にベイスターズ・ファンに鞍替えした。
私が推測するに、その中畑氏がベイスターズの監督を辞めたことによって、シバタはまたジャイアンツ・ファンに戻ろうとしているのではないか。
要するに、シバタは節操がなく常に多数派を拠り所とする、スタンダードなジャイアンツ・ファンなのだ。
自分の意見を持っていない。
「それに、ほら、俺はヨシノブも好きだからさ。今度監督になった」
また難解な言葉が出てきましたよ。
ヨシノブ? 何?
それは、苗字なのか?
それに、形容詞が抜けているぞ。
どこの監督になったんだ。
「馬鹿だな、おまえ、タカハシのことだよ!
だからぁ、巨人に決まっているだろうが!」
そんなの知るわけないだろうが。
野球無知な人間に、ヨシノブって言って通じると思うお前のほうが馬鹿だ。
じゃあ、おまえは俺が「アントニ・クラーベ」と言ったら、すべてがわかるのか。
「ア・・・アント・・・?」
「何だそれ?」
つまりは、そういうことだよ。
わからない人間に、わからない言葉を言ってもわかるわけがない。
「まあ、いいや! とにかく俺はジャイアンツ・ファンに戻る。後で知ったら何を言われるかわからないから、いま言っておく。いいな! 間違いなく言ったからな!」
電話が切れた。
そんな、つまらないことを言うために電話をしてきたのか。
おまえ、あと2年で還暦だぞ。
大丈夫か。
しかも、シバタは無神経極まりない男だった。
そのせいで、タカハシヨシノブって名前を覚えてしまったではないか。
顔も知らないタカハシヨシノブさん。
迷惑な話でしょうが、今すぐ監督を辞退していただきたい。
よろしくお願いします。