演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

大江戸ドクター

2020年04月19日 12時31分45秒 | 読書

和田はつ子の時代小説。
韓国ドラマに「馬医」というのがあって、結構ご都合主義だったが、この作品にも笑気ガスを万能麻酔としているが、どうなのだろう。ガスの保存方法がわからない。まさか、ゴム風船に保存していたわけではあるまい。
軽く読めたし、心情などはよくかけていると思うのだが、ご都合主義に思えてしまうのはなぜなのだろう。

 


怪盗グリフィン、絶体絶命

2020年04月19日 11時47分25秒 | 読書

講談社ミステリーランド第9回配本の法月綸太郎作品。
あらすじは講談社BOOK倶楽部より

ニューヨークの怪盗グリフィンに、メトロポリタン美術館(通称メット)が所蔵するゴッホの自画像を盗んでほしいという依頼が舞いこんだ。いわれのない盗みはしないというグリフィンに、依頼者はメットにあるのは贋作だと告げる。「あるべきものを、あるべき場所に」が信条のグリフィンがとった大胆不敵な行動とは!!(第1部)
政府の対外スパイ組織CIA(アメリカ中央情報局)作戦部長の依頼を受けたグリフィンは、極秘オペレーション<フェニックス作戦>を行うべく、カリブ海のボコノン島へ向かう。その指令とは、ボコノン共和国のパストラミ将軍が保管している人形を奪取せよというものだったが……。

手塚治虫のケンイチ少年が主人公になってもおかしくない話で(このたとえを理解できる人はいないか)読んでいて疲れました。文庫にもなり続編もあるようですから、人気があるのかもしれませんが、1960年代の漫画を読んでいる気分になりました。
好みが分かれるのかな。ネットでの感想も好みが分かれていましたから。


自分の位置

2020年04月17日 13時38分18秒 | その他

赤瀬川源平の「世界は偶然に満ちている」を読んでいる。
赤瀬川の周りで偶然に起きたことや偶然に会った人のことを残された日記から起こしたものだが、最初の70年台は私が実際に会ったことのある人や、名前をよく知っている人が多く出てくるのだが、90年代頃になるとほとんど知らない人が出てきたりして、こういう世界からずいぶん長く離れていたのだなあ、と思ってしまう。
石子順造さんのお墓が藤枝にあることもこの本で知った。藤枝のどこなのだろう?ネットで拾えないかな。


ステーションの奥の奥

2020年04月16日 19時58分22秒 | 読書

講談社ミスれリーランド第11回配本の山口雅也の作品。
あらすじは講談社BOOK倶楽部から
小学6年生の陽太は吸血鬼に憧れていること以外はごく普通の小学生。そんな陽太には一風変わった叔父がいる。名前は夜之介。陽太の家の屋根裏部屋に居候している物書きだ。そんな叔父と甥が、ある日テレビで「東京駅」が大改築されることを知り、夏休みの自由研究のテーマに選ぶことになる。取材のためさっそく「東京駅」に向かったふたりだったが、迷宮のような駅構内の霊安室で無残な死体を発見してしまう! さらに、その日の夜中、宿泊していた東京ステーション・ホテルの夜之介叔父の部屋で密室殺人事件が発生! しかも叔父の姿は消失していた。連続殺人事件なのだろうか? 夜之介叔父はいったい? 陽太は名探偵志望の級友留美花と、事件の謎を解くべく奔走する……!!

これを読んでいるときに「全県に緊急事態宣言」が出ました。図書館も閉まるでしょうから、ミステリーランドは借りてきているあと一冊までで、残りは当分読めなそうです。

さて、凡庸な私には、伏線があるのかないのか分からない作品でした。特に、留美花と陽太の会話は、伏線のための伏線という感じで(あ、ネタバレになる)、こういうのって、ありなのかな。
血なまぐさい作品ですが、読後感はそんなに悪くありません。
生死感の問題となると、子供には少し難しいかもしれません。
人物設定は面白かったんですけど、ちょっと無理が多いのかな。
好きな人は好きな作品だと思います。


探偵伯爵と僕

2020年04月16日 19時46分55秒 | 読書

ミステリーランド第4回配本の森博嗣の作品。
あらすじは講談社BOOK倶楽部から
夏休み直前、新太は公園で出会った、夏というのに黒いスーツ姿の探偵伯爵と友達になった。奇矯な言動をとるアールと名のる探偵に新太は興味津々だ。そんな新太の親友ハリィが夏祭りの夜に、その数日後には、さらに新太の親友ガマが行方不明に。彼らは新太とともに秘密基地を作った仲間だった。二つの事件に共通するのは残されたトランプ。そしてついに新太に忍びよる犯人の影!

うーん、何というか、こういうミステリーもあるんだ、という感じですか。
でも、最後の部分は大人が読むのと子供が読むのとでは、大きく印象が違うでしょうね。
ほとんどの大人は、そこまで深読みしていないと思いますけど。

今まで読んだ、ミスれリーランドの中では個人的に一番の衝撃作でした。


活版印刷三日月堂6巻 小さな折り紙

2020年04月14日 23時05分27秒 | 読書

ポプラ文庫 ほしおさなえ作

4巻以降の話が、短編連作で描かれている番外編第2弾です。
みんながそれぞれ、いい形で生きている様子が描かれていて、5巻の時の重苦しさがないのが、読んでいて楽でした。
今、世界中がコロナで大騒ぎで、子供たちは卒園式や入学式も満足にできていません。
これからの世の中がどうなっていくのか、全く予想が付きません。
それでも、私たちは生きていかなくてはならない。
読んでいると、最後の卒園式のシーンが、たった、一年前まではみんながコロナなんて心配しないで、こんな卒園式ができてたんだなって。

過去の地震の被害にあった方たちは、もっとつらい思いだったんでしょう。
本の感想とは関係なくなってしまいました。
全巻通して読むことをお勧めします。


黄金蝶ひとり

2020年04月14日 21時52分09秒 | 読書

ミステリーランド第3回配本の太田忠司の作品です。
あらすじは講談社BOOK倶楽部より
5年生の夏休み、洸は物心がついてから1度も会っていない祖父・白木義明の住む茶木村で過ごすことになった。アサギマダラという蝶が群れとび、鍾乳洞があり、豊かな自然が残る村には、山を守る“テツ”がいるという。
「茶木牧場&白木万能学研究所」なる看板をかかげた祖父は、あらゆることの先生として、村民から尊敬されていた。だが、なにか皆に秘密にしていることがありそうだ。村にかくされているという宝と関係があるのか……。ある日とつぜん祖父が姿を消した。茶木村を観光地化しようと前村長の不良息子が会社社長となって戻ってきたのと、関係があるのだろうか。彼の真の狙いは村の宝にあるのでは……。

まあ、一番驚いたのは挿絵をよく見ていなかった自分のうかつさでした。何を書いてもネタばらしになりそうなので、詳しく書けないのですが、嫌いではない作品です。でも、ちょっと反則技かな、と思える構成です。
しかし、人口500人もいれば、バスぐらい通っていると思うのですが、なんで、洸は峠越えをして村へたどり着かなければならなかったのでしょうか?
後半になると、ちゃんと自動車も登場するのに?
細かい「?」が結構あって、少しだけ気になりました。面白いことは面白いです。


魔王城殺人事件

2020年04月14日 21時30分52秒 | 読書

ミステリーランド第5回配本の歌野晶午の作品です。

あらすじは講談社BOOKS倶楽部より

星野台小学校5年1組の翔太たちは、探偵クラブ「51分署捜査1課」を結成した。いくつかの事件を解決し、ついに、町のはずれにある悪魔の巣窟のような屋敷、デオドロス城(僕たちが勝手に名付けた)にまつわる数々の怪しいウワサの真相を確かめるべく探険することに!潜入直後、突然ゾンビ女(?)が現れたかと思うと、庭の小屋の中で謎の消失!新たに女子2人が加わった「51分署捜査1課」は再び城に。今度は小屋の中で乳母車男(!?)の死体を発見してしまうのだが、その死体も消滅してしまう。やはりデオドロス城には何かただならぬ秘密が隠されているのだ。

小学生が読んだら、面白くないところは途中で出てくるアリのクイズかなと、思いますが、逆に面白がる子はここが一番面白いのかもしれません。
トリックはまあ、本格派でしょう。子供たちの会話がいいですね。
初めて読んだ作者ですが、普段の作品はもっとトリッキーなんだそうです。どうトリッキーなんでしょう。ちょっと気になります。


銃とチョコレート

2020年04月14日 20時57分02秒 | 読書

ミステリーランド第10回配本の乙一(おついち)の作品。
ヨーロッパを舞台にした、一種の冒険小説だ。
あらすじはGooglebooksから。
大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズ対決は世間注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!? リンツは憧れの存在・ロイズと冒険の旅にでる。

 


どちらかというと、推理というよりは冒険の要素が強くて、ルパンのシリーズみたいな感じです。チョコレートはいろいろな意味でキーになっていて、高級チョコレートが好きな人には2重に楽しめるようですが、縁のない私は全く気が付きませんでした。
読んだときには、あまりピンときませんでしたが、あとからじわじわと面白さが伝わる作品です。

 


みずうみの歌

2020年04月12日 19時11分19秒 | 読書

ほしおさなえのSF小説。あらすじは講談社ノベルスより。


「すべてはあの町から始まったのよね」
母が最期に残した言葉の真意を知るため、独りきりになった少年は母の故郷を訪れる。
手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。
町は徐々に陥没がすすんでいて、一部が大きな湖に飲み込まれていた。
湖底に残された“思い出の品”を回収する男性・モグリに出会った少年は、しなやかに泳ぐ姿から“サカナ”と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。
そのモグリもまた、過去にある秘密を抱えていた。
サカナは、聞けなかった母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく。

 


ストーリーは面白かったですが、キャラクターの心理が今ひとつ分かりませんでした。
特に藍という少女の描写が、無理がある感じがしたのだが、ネットの他の読者も同じような感想を持った方が多いようだ。
ただ、10代の頃読んだら確かに面白かったに違いなかったです。心理とか、の前にストーリーの面白さでしょうから。