「七月に流れる花」(恩田陸 作)の続編で、今度は男の子たちの話になります。
最後の方がなかなかグロくて、引いてしまいました。
酒井駒子さんの表紙と挿絵は素晴らしかったのですが、どちらかというと楳図 かずおの漫画のほうが、似合うかもしれません。
「七月に流れる花」を読んでいる前提で書かれている作品なので、これだけ読むと謎だらけだと思います。
我孫子武丸の長編小説ですが、やっと読み終わりました。
推理小説として読もうとすると、あまり意味のない話の展開で、ただ最後はこうなるのかな、という予想は裏切られました。
ネットでの、ほかの方の読後感想も、ライトノベルとしては許容範囲、とかミステリーではなく冒険小説という評価です。
面白くないことはないのですが、もっと短くてもよかったのかなと思います。
遠藤 寛子の小説。あらすじはWikipediaから引用。
浅草寺に友達と参詣に出かけたあきは、算額を掲げる一団に出遭う。掲額しようとしていたのは、旗本の子弟水野三之助であった。三之助は日頃から、関流宗統の藤田貞資の直弟子であることを鼻にかけていた。あきはついその算額の誤りを指摘してしまい、三之助の怒りを買う。一度は折れて事を収めようとするあきだったが、三之助の執拗な追及に、父千葉桃三譲りの算法の腕で逆に三之助を論破してしまう。
そのことが評判となり、算法家としても知られる久留米藩主有馬頼?から、あきを姫君の算法の指南役にしたいという話が、父の友人の谷素外を通して舞い込んできた。屋敷勤めに興味はないものの、逼迫する家計を助けるため、貧しい子供たちに算法を教える塾を開く資金を得るため、あきはしぶしぶ承諾する。異例の出世と周囲は舞い上がるが、有馬家には三之助の師匠の藤田貞資も家臣として仕えていた。藤田は関流の面子を守るため、流派から算法に長けたもう一人の少女、中根宇多を呼んで、あきに勝負を挑んできた。
江戸時代に出版された同名の和算書に着想を得た小説ですが、読みやすいうえに主人公のあきがなかなかの強情パリで、好感が持てます。アニメと漫画本になっていて、漫画はAMAZONでも購入できるが、物語の半分までしか刊行されていません。
もともとは児童書として出版されたようですが、大人にもおすすめです。漫画の方は、子供を持つ、お母さんたちに好評だったようです。
1月から12月までの月ごとの話で、章が分かれる不倫小説です。
喋々喃々とは辞書によれば、「男女がうちとけて小声で楽しそうに語りあう・こと(さま)」とあります。
この小説は、まさにそんな感じの小説で、不倫なんだけど、本気というか、いい加減な私にとっては、とても怖い小説です。
たぶん、小説の主人公の相手のようにはなれないのだろうなと思います。自分ならすぐ相手を押し倒したくなるでしょうから。
女性作家の作品は、着物の描写がとても細かく、ほとんどユニクロかイオンで済ませている私には、情景を浮かべにくいのが、難点でしょうか。
前半は読みにくいと、思っていましたが、慣れてきたのか、後半は比較的楽に読めました。
7つの短編が、スピンオフとして収録されていますがただ、あまり印象に残る作品がなかったのはなぜなんでしょう。
4巻までの本編で、大体想像できたことが、書かれていたからかもしれません。
宮部みゆきの短編集。
「雪娘」「オモチャ」「チヨ子」「いしまくら」「聖痕」の5編が入っていて、発表年代が大きく離れているのですが、あまり違和感はありません。
どれも、不気味な話なのですが、作品そのものよりも、最後に解説というか作者の解説が入っていて、「いしまくら」について、友人から自転車で二人乗りしてラブホテルへ行く話を聞いて書きたくなった、という部分を読んで、「才能のある人は、こんなところからこんな話を作れるのだ」と、感心してしまいました。