歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

日帰り出張

2009-04-24 23:08:37 | Weblog
交通が便利になると、仕事はハードになるよねえ。
事前面談に宮城県下まで出かけた。

「県下」なので、仙台平野のまっただなか(?)なんだろう。
山が遠くて、平野なんだというのがよくわかる。
同行したナース「チャリなら気持ちよさソー!」
駅を降りる人の姿も少なく、駅の周囲にも人影はなし!
日々、雑踏の中の通勤をしている身には、なんともうらやましい空気の美味しさ。
ホント、空気の味が違うんですよ!

タクシーに乗ること20分。4000円弱の料金。
都内のタクシー料金より60円安い。
タクシーは自動で開けてくれるものと決めていた私。
料金を払い終わっても、開かない「?」
手動!自分で開けないといけなかったのね!(笑い)

ソー言えば、昔々、ローカル線で、
電車のドアは自動と決めて、開くのを待っていたが、手動ドアだった!(笑い)
という地元の人に笑われた思い出があったっけ。

何事も「思い込み」はダメ。

事前情報で得ていたのとは大違いで、コミュニケーション良好の92歳。
ドウ見ても憎めない可愛らしい方。
家族とも親しみを持てる印象だったので一安心。
長距離の移動に、何とかスタッフを迎えに出せるように出来た。
家族だけでお連れするのは負担が大きすぎる。

こちらとしては連休明けに受け入れたかったが、病院側は今月末までに出したい。
退院許可がでれば、そう長くは置いてくれないのが最近の病院。
宮城県下の方が、なぜこちらまで遠距離を無理してくるかといえば、
「入居できる施設がない」からだ。
地方には、有料老人ホームでさえ、待機だそうだ。
地方に施設が少なすぎる。
在宅では介護できない家族も多いと思うが、何を犠牲にして介護をしているのだろうか?矛盾を感じる。

この方の移送費用は、16万である。
お金がないと長生きは出来ない。


先日、受診に付き添っていて心肺停止になった方が退院してこられた。
九死に一生である!
付き添っていた私のおかげだと、家族からずいぶん感謝していただいているが、その方の生きる気力だろう。
「お帰りなさい!」と居室へ行くと、ご本人、やたらテンションが高くて、
「みんなにビールを買ってきて!」
「ご馳走を用意して!食べてもらう!」
盛んに回らない口で話す。
最後には、「お饅頭を買ってこい。」といったとかで、家族が早速持ってこられた。

夕食時間になっても興奮は収まっておらず、再び顔を見に行った私の手を握って、しきりに何か訴えるが、疲れてきていたので言葉が聞き取れなくなっていた。
あまり興奮されると、明日からが気になる。

今後、何が起きても救急搬送はしない、と決まった方である。
一言でも多くおしゃべりが出来、今日のような笑顔が見られるように一日一日を過ごしていただきたい。
そして、大好きなビールも飲んでいただきたい。
但し、トロミつきなのでビールゼリーだけど。
それでもいいじゃない。乾杯!