5月22日 テレビ朝日「グッド!モーニング」池上彰のニュース検定
感染症対策で世界最強と言われる組織がある。
アメリカのCDC(Centers for Disease Control and Prevention)疾病対策センターである。
全米だけでなく世界各地に14,000人以上の医師や研究者らを抱え
モットーは「国境に到達する前に疾病と闘う」である。
つまり“アメリカ国内に感染症が上陸する前に叩く“というのである。
また世界60か国以上に職員を派遣し
共同研究なども進めている。
常に最新の研究成果を取り入れているのである。
実際 CDCは
2002年にSARSが中国を襲った際には
すぐに専門家を現地入りさせ支援した。
このときSARSの全ての遺伝子配列を明らかにしたのもCDCの専門家チームだった。
これをきっかけに米中の協力関係も進んでいった。
CDCはこれまで感染症の分野で世界をけん引してきたにもかかわらず
今回の新型コロナウィルスについては大きく出遅れている。
アメリカは感染者数・死者数ともに世界最悪の状況に陥っているのである。
その原因ともなっているのがトランプ大統領である。
専門家の意見を軽視してきたのである。
実はトランプ政権は
オバマ前大統領がNSC国家安全保障会議内に作っていたパンデミック担当チームを2018年に解体した。
またCDCの予算削減を進め
2021年度予算については16%もの削減を提案していた。
トランプ大統領は感染症対策の要であるCDCの力を削いでいたのである。
トランプ大統領はいつ起こるかわからないパンデミックを軽視して
目先の移民対策や経済対策に金と力を注いできた。
その強烈なしっぺ返しを受けているのが今のアメリカなのである。