5月30日 NHK「おはよう日本」
酪農王国北海道十勝でいま注目を集めているチーズがある。
熟成に使うのは地元の温泉。
とろ~り溶けたアツアツのチーズ。
かけるのはジャガイモに牛肉。
どれも十勝の大地で育まれた食材である。
十勝ラクレット モールウォッシュ。
原料は十勝産の生乳100%である。
(レストラン「大地の匠」 マネージャー)
「この場所にしかないチーズ。
せっかく十勝に来たので十勝らしいものを食べたい人にお勧めしている。」
十勝の魅力が詰まったこのチーズ。
最大の特徴は熟成過程にある。
使っているのは十勝川温泉の温泉水。
チーズの熟成に使う十勝川温泉。
全国的にも珍しいモール温泉という琥珀色の“美肌の湯”で知られている。
この温泉水でチーズを磨き
熟成を進めているのである。
アルカリ性の温泉水で磨くことで
チーズの表面は美しくなり
風味もまろやかになるという。
「こうなってくるといい感じ。
これをちょっと湿らせて
磨いて湿らせてあげる。
これでだいたい熟成3か月くらい。
中もおいしく食べられるようになっている。」
ラクレットチーズをモール温泉で磨くことから
十勝ラクレット モールウォッシュ。
地域の名物を活かしたチーズである。
(熟成士 )
「十勝川にもノール温泉水というすばらしい資源がある。
試してみたら非常にいい効果が出た。
日本人の嗜好に合った仕上がりになっている。」
このチーズ
こだわりは温泉だけではない。
十勝を代表するチーズを作るために
工房が垣根を超えて連携しているのである。
熟成前のチーズを生産しているのは十勝地方の6つの工房である。
それぞれの工房が熟成庫にチーズを持ち寄り
共同で熟成。
共通ブランドのチーズを製造している。
共同で熟成庫を運営するのは日本で初めてである。
高い品質のチーズを作るため
工房はお互いに製造技術も公開し合った。
このチーズには十勝の職人たちのプライドが込められている。
足寄町のチーズ工房。
共通ブランドのチーズ作りは大きな刺激になっているという。
(あしょろチーズ工房 社長)
「“こんなふうになるんだね”とすごくいっぱい見えてくる。
切磋琢磨できるというか
逆におもしろいかなと思う。」
このチーズを使って十勝の新たな名物を作ろうという動きも始まっている。
表面を覆うようにモールウォッシュが使われているケーキ。
温めて食べるチーズケーキである。
(スイーツファクトリーグリーン シェフ)
「モールウォッシュの潮み・香り
それが店のチーズケーキとよく合う。
全国のお客様にこの味をお届けできればと思う。」
職人たちが力を合わせて作り上げたチーズ。
食の宝庫 十勝の魅力を広げている。