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ウニの殻を新たな器に 

2021-06-18 07:19:21 | 報道/ニュース

2021年5月31日 NHK「おはよう日本」


岩手県洋野町の飲食店で5月から提供が始まった生ウニ丼。
この時期一番の人気メニューである。
今回注目するのはウニ丼の器。
ウニを剥いた後の殻を再利用して作っている。
(客)
「ウニの殻からこういう色が出るのかって
 不思議な感じです。」
ウニの産地として知られる洋野町。
十数キロにわたって続く浅瀬で育ったウニは
甘さが際立つ最高級品として全国で人気を集めている。
ただ課題となるのは
ウニを剥いた後に残る大量の殻である。
町の水産会社の推計では年間85トン以上にのぼる。
これまで産業廃棄物として捨てられてきた。
(水産会社 眞下取締役)
「ウニ殻がたくさん出ているなかで
 我々も産業廃棄物として捨てるしかない。
 コストをかけて廃棄している状況。」
そこに注目した町内に住むASAHIさん。
今年3月まで町の地域おこし協力隊員を務め
いまは企業を目指している。
ウニの殻がどのように器に変身するのか。
この日水産会社を訪れたASAHIさんは
加工された後に残った殻を受け取った。
殻はすぐに釜へ入れられ700度の高温で焼かれる。
すると
真っ白な灰になった。
水や木の灰などと調合すると
出来たのは陶芸で使う釉薬(うわぐすり)である。
それを地元の陶芸家が1枚1枚丁寧に作った器に塗り
本焼きすると
ベージュ色の器が完成した。
よく見てみると底の方にはオレンジ色の部分が。
まるでウニの実の色のようで
黒い殻からは想像できない色合いになった。
(ASAHIさん)
「ウニの殻って真っ黒だしトゲトゲだし空っぽだしグロテスクな感じですけど
 釉薬(うわぐすり)にして成功したものが初めて窯から出されたときに
 ウニの殻からできたというのとは想像ができないような新しい質感の器ができたので
 すごく興奮したのを覚えています。」
さらに地元で採れた土で作った陶器に同じ釉薬を塗ってみると
今度はところどころ黄色がかった
こげ茶色で光沢のある美しい陶器に仕上がった。
(ASAHIさん)
「より重厚感があるような
 いま出来たばかりの器だけれども
 すごく古い時代に作られたみたいな
 全く同じ釉薬なのに
 素材の土の違いで全然変わったものになるので
 陶芸の面白さだなと思いました。」
まったく違う2種類に色合いの陶器で新たな挑戦を始めたASAHIさん。
SNSでの販売やネットショップを展開する準備も進めていて
全国に町の魅力を発信しようとしている。
(ASAHIさん)
「ほぼ捨てられてしまうものだったけれども
 人の喜ぶものに生まれ変わったというのが私の1番の喜びポイントでもあるので
 そういうところも器を通して伝わればいいなと思いますし
 日常の中に1つ1つ大切に作ったもの
 それがときめくものであってほしいなと思います。」

 

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