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宝石サンゴブーム 先進的な対策とは

2012-10-18 07:21:05 | 報道/ニュース


  10月12日 おはよう日本
 

  ウナギやクロマグロは減少が懸念されるとして
  国際取引の規制がたびたび検討されてきた。
  そして日本の近海で保護のあり方が議論になっている生物が
  宝石サンゴ
  高知県はこの宝石サンゴの世界有数の産地である。
  高知で開かれた宝石サンゴの入札会では
  加工される前のサンゴに次々と高値がつけられていく。
  1キロあたりの単価はこの10年で3倍。
  去年1年間の取引金額は過去最高の28億円に達した。

  高知でとれたサンゴの多くは中国や台湾に向かう。
  空前の宝石サンゴブームで専門店には1日に千人以上が訪れる。
  人気の理由は宝石サンゴの濃い赤色。
  (サンゴ店マネージャー)
  「サンゴの赤は中国の代表的な色で
   “福”の意味があるので特に好まれている。」

  人気の上昇を受けて宝石サンゴ漁師が急増している。
  半径100mほどの狭い漁場に13隻もの船が集まる日もある。
  この地区の宝石サンゴ漁師は今では80人以上で
  3年前の20倍である。
  2年前に宝石サンゴ量を始めた新谷猛さんは
  これまで獲った中で1番高いものはひとつ270万円にもなる。
  「1つ獲ったら1千万円位するサンゴもある。
   ここ1,2年前から始めた人が多い。」

  宝石サンゴは世界的な注目を集めている。
  野生生物の保護を図るワシントン条約では
  乱獲を懸念する声が高まり
  国際取引を規制するかどうかこれまでたびたび議論されてきた。
  宝石サンゴは成長は非常に遅く
  貴重な資源だと考えられているからである。
  このままの形で漁を続けるのかどうか
  高知県は潜水調査に取り掛かった。
  しかし宝石サンゴは深さ100メートルの深海に生息しているため
  全貌の解明には時間がかかるという。
  (高知県漁業管理課)
  「定量的にサンゴに資源がどのくらいあるのか
   把握するのは難しい。
   それに対して今の漁が適正かどうかというのは答えがない。」

  高まる宝石サンゴのブーム。
  地元経済も思わぬ問題を引き起こしている。
  土佐清水市ではこれまでサバ漁が地域の経済を支えてきた。
  しかし漁師たちは次々と宝石サンゴ漁に参入。
  100隻以上あったサバ漁船は30隻にまで減ってしまった。
  2年前に宝石サンゴ漁を始めた新谷さんは
  もともとは60年間サバ漁を続けてきた腕利きの漁師だった。
  しかしここ数年サバの価格は4割も下落し
  サバ漁では採算が取れなくなってきた。
  (新谷さん)
  「漁具も高騰してなかなか沖へ出てもお金になりにくい。
   収入・手取りが多いからサンゴ漁に切り替えた船がだいぶある。」

  市内の飲食店などではサバを思うように提供できない。
  このままサバ漁が低迷すると地域経済はどうなってしまうのか。
  漁協は懸念している。
  (高知県漁協清水統括支所)
  「漁師は魚の漁が低迷した状態で沖へ行くより
   宝石サンゴの値が高騰していけば
   確実にサンゴ漁に行くのでそれは止めようがない。
   長い目で見ればものすごく影響が出てきている。」

  サバ漁にはサバを獲るための餌を扱う専門店にも多くの業者がかかわっている。
  宝石サンゴの漁には餌の必要がない。
  獲ったサンゴの多くはそのまま中国や台湾に送られて現地で加工するために
  地域経済を潤す効果というものはあまり大きくない。
  新潟県では全国で初めて宝石サンゴと同じように減少が懸念される資源に
  行政が主導して漁獲量を制限する取り組みを始めている。
  対象になっているのはホッコクアカエビである。
  深海に住んでいてあまり移動しない。
  資源の漁が正確にわかっていないという点でも
  宝石サンゴと共通点がある。
  新潟県が去年から始めたこの取り組みは
  漁船ごとに漁獲量を細かく設定している。
  港では獲り過ぎていないか県の職員が抜き打ちでチェックしている。
  このように行政が漁船ごとに漁獲量を決めて厳しく管理する取り組みは
  北欧・ニュージーランド・韓国などでも広く始められている。
  漁業管理の専門家は
  こうした制度を宝石サンゴにも導入するべきだと指摘している。

  三重大学生物資源学部 勝川俊雄准教授
  「国連海洋条約では
   水産資源は人類共通の財産だとみなしている。
   ただこれを“早い者勝ち”でとっていたら持続的に利用できない。
   宝石サンゴ資源というのはもう財産だ。
   この財産を自分たちだけで食いつぶしていいのか。
   そこの地域の雇用を支えて
   地域がこれからも豊かであるために使ってほしい。」 

   
  
  
  
  
  

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