2021年4月6日 NHKBS1「国際報道2021」
韓国でここ数年人気を集めているのが
高齢者が投稿する動画である。
数十万人のチャンネル登録者を持つ人気シニアユーチューバーが次々と登場している。
韓国のシニアたちがアップロードしたYouTube動画。
経験からくる豊かな知識と素朴な仕草が世代を超えて人気を集めている。
「かっこいいと思う。
年をとっても自分を出しているから。」
「チャンネルを登録しているので
タイムラインに出たらすぐ見てる。」
釜山の郊外に79歳の人気ユーチューバーがいる。
4年前にデビューしたギョンジャさん。
何にでも挑戦する動画で人気を集め
現在のチャンネル登録者数は78万人。
動画の総再生回数は3億回を超える。
任期の秘訣は圧倒的な行動力。
独学でスマホも修理する。
(YouTubeより)
「電源入ったよ。」
自家製の綿菓子機作りにも挑戦。
(Youtubeより)
「火がついたので失敗。」
11年前に夫を亡くし
娘の家族と暮らすギョンジャさん。
YouTubeを始めたきっかけは
孫が大学に進学し離れて暮らすようになったことだった。
(ギョンジャさん)
「孫がやっているのを見てユーチューブを知ったの。
数か月間見ていて気付いたの。
私が孫を見るだけなく孫にも私を見せようと。」
(娘の夫)
「『すぐ撮ろう』と言うから『何を?』と聞いたら
『無線充電器を作る』って。
外で待ってたら
ヘルメットかぶって電動ノコギリを持って
『孫よ!見てるか!』ってまるでビデオレターですよ。」
(YouTubeより 初めて登校した動画)
「孫よ。
たった5,000ウォン(約500円)で無線充電器を作ったよ。(ドヤ顔)」
次々と企画を思いついては毎週のように新作動画をアップするギョンジャさん。
人々をひきつけてやまない。
ギョンジャさんの日課となっている早朝の散歩。
どこに行くにもスマホは手放せない。
(ギョンジャさん)
「昔は写真家になりたくてカメラを買って撮影してた。
でも兄が反対したの。」
7人兄弟の長女だったイさん。
「兄の進学を優先させたい」と父から言われ
中学へ通うことを諦めて縫製工場に働きに出た。
(ギョンジャさん)
「『男みたいにしたダメだ 女らしく生きろ』と言われた。
『女は結婚して家事をしなければならない』って。」
兄から紹介された男性と結婚した後も
ずっと“自由に行きたい”と思い続けてきたという。
(ギョンジャさん)
「これまでやれなかったことを今やっているの。
この年になって人に見られるのは本当はちょっと恥ずかしい。」
ギョンジャさんのような人気ユーチューバーを目指す人のため
韓国ではいまシニア向け動画作成講座がいたるところで開かれている。
去年12月に大手保険会社を定年退職しすぐに講座に参加したドクチュルさん(60)。
(ドクチュルさん)
「妻と娘は私がユーチューブをするのをよく思いませんでしたが
一緒にやってみると喜んでくれました。」
ドクチュルさんが発表した作品のテーマは“定年後の昼食”である。
自分の日常をありのままに撮影した。
動画作りも料理作りも初めての体験だった。
仕事や子育てに追われ年を重ねてきた韓国のシニアたち。
(ドクチュルさん)
「人々の役に立つ動画を作っていきたいです。」
いまYouTubeと出会い
新たな人生を見い出そうとしている。