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日本刀づくり支える 塗師の挑戦

2021-05-30 07:00:00 | 報道/ニュース

2021年5月12日 NHK「おはよう日本」


岡山県備前長船の地は古くから日本刀の産地として知られているが
いま本物の日本刀を新たに作ろうという人は少なく
職人への注文は減っている。
そうしたなか
これまでにない注文を受けて新たな仕事に挑戦する職人も出てきた。

ねっとりとした鮮やかな青色。
色を付けた漆である。
日本刀をおさめる鞘に塗ると強度と美しさを与える。
岸野さん(43)は鞘に色を付ける専門の職人で
塗師(ぬし)と呼ばれる。
岸野さんが活動する備前おさふね刀剣の里。
日本刀は複数の職人の分業で作られるため
職人ごとに工房が設けられ
それぞれで注文を受けている。
岸野さんは去年これまでにない注文を受け新たな挑戦に取り組んできた。
(塗師 岸野さん)
「初めてです。
 喜んでもらえるこしらえに作っていきたい。」
その注文は東京に住むフランス人の男性からだった。
新作の短刀をおさめる鞘に
伝統的な日本の波の模様や激しい波の模様を描いて欲しいというものだった。
男性は去年 期間限定で公開された
国宝の日本刀「山鳥毛(さんちょうもう)」を見るために備前長船を訪れ
本物の日本刀に魅了され注文したという。
日本刀を求める人が少なくなるなか
岸野さんにとって外国人からの注文も家紋以外の独自のデザインの注文も初めてだった。
男性がこだわったのが鞘の色。
一般的な黒や赤でなく
鮮やかな青を望んでいた。
岸野さんは顔料を濃くしたりうすくしたり思考錯誤して男性が望む青を作り上げた。
その青の漆を何度も塗っては乾かす作業をおよそ10回繰り返し
1か月かけてさやの色塗りを終えた。
作業開始から3か月後
いよいよ模様を描く作業を始めた。
細い筆を使い
2ミリほどの線で丁寧に描き込んでいく。
(塗師 岸野さん)
「バランスとるのが大変。
 次につなげる線をどう均一に描くか。
 本当に“失敗しないように”というだけ。」
注文のデザインを鞘の大きさに合わせて描き直し
それを見ながら描いていく。
この作業も描いては乾かしを3度繰り返し2週間を要した。
(塗師 岸野さん)
「細かい仕事
 目もかすれてきたので大変だが完成させたい。」
作業開始から4か月後ようやく鞘が完成した。
激しい波は5つ連続で
伝統の波も男性のデッサンどうりに表現された。
鞘の色は一見暗く見えるが
角度を変えてみると
落ち着いた深い青に仕上がった。
(塗師 岸野さん)
「緊張もありわくわくしながらできた。
 色を作るのが大変だった。
 模様のバランス考えるのが大変だった。
 客からこういう模様を入れてほしいという注文があれば
 応えていける職人になりたい。」

 


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