12月15日 NHK海外ネットワーク
ソウルの日本大使館の前は毎週水曜日になると集会が開かれている。
元従軍慰安婦の女性とその支持者たち。
一方で街の中では日韓双方の市民がごく自然に接している。
ソウル一の繁華街ミョンドンは日本人を始め大勢の観光客でにぎわっている。
「お互いに悪いところばかり見ようとするから
関係がさらに悪くなるんだと思います。」
「慰安婦問題は意見の差があるから頭が痛い問題ですね。
お互いに一歩ずつ譲ったらどうでしょう。
ふかんしてみれば違ったものが見えるのではないでしょうか。」
日本の食べ物やアニメも市民の生活の一部として定着している。
大阪日本社があるすしチェーン店は1年前にソウルに1号店をオープン。
常連客も増え来週には5号店が誕生する。
「安い割にはとてもおいしい。」
「日本の文化に興味があります。」
(すしチェーン店海外事業推進室長 小河博嗣さん)
「特に政治の問題が障害になると感じたことはありません。
若い人を中心に寿司は広がっていると感じています。」
15年続く日本と韓国の人たちの交流の場コミュニティ・カフェ。
毎日40人~50人が集まって
お互いの言葉を学びあったりゲームをしながら交流を深めている。
韓国を知りたいという日本人
そして日本をもっと知りたいという韓国人が
お互いに助け合っている。
竹島をめぐる議論も起きたということだが
日韓関係がぎくしゃくしてもここではこれまで通り交流が続いている。
(交流カフェ カケハシ マネージャー リ・チョンヨンさん)
「島の話が出ると困ります。
交流するために来ているのでそういう話はできるだけ避けています。
お互いの国が好きだから交流しているのです。」
(韓国人学生)
「日本人の友達がいたらよいと思ってよく来ています。
日本の大学院に行こうと頑張っています。」
政治面で悪化した関係を改善させたいというのが両候補に共通した姿勢である。
経済関係や民間交流を損なっては韓国のためにもならないと考えている。
ただ領土問題では絶対に譲れないし
歴史問題でも日本の前向きな対応を求めている。
どちらの候補が当選するにしても
国内の対日世論の動向を見極めながら
日本との関係構築を模索していくことになる。
東アジア情勢が大きく動いている中で韓国はどこに向かうのか。
日本にとっても他人事ではない。
日本にとっても隣国とどのような関係を築いていくのか
私たちも問われている。