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北欧で世界初 核処分場計画

2012-03-28 12:43:41 | 海外ネットワーク


  3月24日 NHK海外ネットワーク


  世界初となる最終処分場を取材したドキュメンタリー映画
  「100,000年後の安全」


  当為未来にこれを見つけた君は
  われわれの文明をどう思うだろうか 


  原子力発電所で発電に使った後に残る使用済み核燃料。
  さらにそこから再利用できる放射性物質を取り出した後に出るのが
  高レベル放射性廃棄物。
  これらの放射線の影響が低くなるまでにかかる時間は
  約10万年に及ぶとされている。
  はるか未来まで残る核のゴミ。
  
  ある物から
  あなたを守るためにその物を埋めました
  絶対的な安全のために 

 
  フィンランドの首都ヘルシンキから北西に約200kmのユーラヨキ。
  国内の約100ヵ所の地点を調査してきた政府は
  2000年、使用済み核燃料の最終処分場をこの町に作ることに決めた。
  処分場の一部になる予定の施設を電力会社のグループ企業が建設している。
  フィンランド語で洞窟を意味する「オンカロ」と名づけられている。
  計画では固い岩盤を掘り進める。
  将来、氷河期となり氷で侵食されることも考慮して深さは地下420m。
  そこに横穴を作る。
  この横穴に使用済み核燃料を埋めていく。
  計画では8年後から最終処分を開始。
  1970年代から国内の原発で生まれた使用済み核燃料と
  将来の分も合わせて最大1万2,000トンが埋められる計画である。
  使用済み核燃料は容器に入れられ
  さらに銅の容器で囲うことで腐食を防ぐ。
  
  電力会社 担当者
  「今後、数年 数十年 数百年といった話ではない。
   この容器は10万年持ちこたえるように設計されている。」

  2120年に埋設を終え、
  地上部分を更地に戻してあとは埋めっぱなしにする。
  10万年かけて放射能の影響が弱まるのを待つのである。
  
  最終処分場の計画を受け入れた地元の町ユーラヨキは人口約6,000人。
  電力会社の打診を受けた町は
  2000年、町議会で20対7の賛成多数で最終処分場の受け入れを決めた。
  
  ユーラヨキ ハッリ・ヒーティオ町長
  「もちろん経済的恩恵がいちばんの理由。
   同じような規模の町に比べて
   ヘルスケア、高齢者福祉 教育 住宅環境など充実できる。」

  電力会社は処分場の計画地を選ぶにあたって
  地盤の安全性に問題がないか詳しく調査した。
  50本以上のトンネルを掘るなど調査をした結果、
  片麻岩(へんまがん)と呼ばれる安定した地盤が広がっていることがわかった。
  さらに岩盤の割れ目などを調べたところ
  10億年以上、大地震や火山活動が起きていないとみられることがわかった。

  地質学者
  「使用済み核燃料の貯蔵施設建設に適していると確信している。」

  しかし、遠い未来まで安全性を保つことが出来るのか。
  最終処分場を取材したドキュメンタリー映画は疑問を投げかける。
  
  氷河期が来たらここは?
  おそらく忘れられてしまう


  映画を作ったデンマーク人のマイケル・マドセン監督。
  「これまで岩盤が安定していたから
   これからもそうだというのは科学的ではない。
   未来はこうなると
   必ずしも過去が教えてくれるわけではない」

  10万年もさかのぼると
  アフリカに現在人類の祖先がいた時代です
  ヨーロッパではネアンデルタール人が暮らしていた頃です
  放射性廃棄物を理解させるのは難しいでしょう
  未来の人類や生物がそれを理解できるとは想定できません


  ここに廃棄物が埋められていると未来の人々に伝えるのか。
  それとも核テロなどを防ぐため事実を知らせないほうがいいのか。
  情報公開の課題も残されている。

  マイケル・マドセン監督
  「少なくとも3,000もの世代に影響を与えるものを
   人類史上初めてつくろうとしている。
   核エネルギーは人類の技術 知識の集大成である。
   しかし同時に諦終えない長い時間軸は暗闇も持ち合わせている。」

  世界で始めて動き出した計画に国はさらなる安全を追求する姿勢を示している。

  放射線・原子力安全センター 担当者
  「今後の課題は
   処分した放射性廃棄物が容器や岩盤などの環境により
   そのように影響を受けるのか。
   1000年後 1万年後 10万年後
   どのように変化していくのか。
   安全を保つために必要なことは何か
   模索し示さなければならない。」

  使用済み核燃料を埋めるというひとつの答えを出したフィンランド。
  10万年もの長い歳月と向き合い続けていくことになる。
  フィンランドは自分の国で出た原発のゴミは
  自分の国で責任を持って最終的な処分を行なうという考え方である。
  
 
 
  
  

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