3月22日 NHK海外ネットワーク
3月19日 世界150か国のレストランで一斉にフランス料理を楽しもうというイベントが開かれた。
グード・フランスと銘打ったこのイベント
フランス語でフランスの味覚を表す Gout de Franse と
英語の Good France からつけられた。
フランス ベルサイユ宮殿で19日に行われたグード・フランスのセレモニー。
フランスの代表的なシェフと外務省が企画した政府肝いりのプロジェクトである。
(シェフ アラン・デュカス氏)
「24時間 世界がフランス料理をたたえ続けます。」
同じ日 ニューヨークでもグード・フランスのイベントでたくさんの人たちがフランス料理を楽しんだ。
食前酒に始まり
メインディッシュ
デザートと続くフランス料理のコースを味わってもらう。
プロジェクトに賛同した150か国 1,300以上の店が
正統派のフランス料理で客を楽しませた。
来日したプロジェクトの責任者フランスのファビウス外相は
グード・フランスの目的の1つは
郷土色豊かなフランスの地方の文化に目を向けてもらうことだ
と話していた。
(フランス ファビウス外相)
「フランスの美食文化はフランスじゅうに浸透していて
たとえ小さな町であっても素晴らしい料理に出会うことができる。
フランスのさまざまな地方に海外からも大勢の観光客が訪れれば
各地方の発展にもつながるのではないかと考えている。」
日本でも60を超えるレストランがグード・フランスに参加している。
一口にフランス料理と言ってもさまざまで
沿岸部と内陸部では使う食材も異なる。
フルコースもあれば気軽に食べられる1品料理もある。
銀座のフランス料理店では
美食の街と言われるリヨンの家庭料理を売りにしている。
魚は川魚。
ソースのだしは湖でとれるザリガニの殻でとる。
20を超える地方があるフランス。
そのそれぞれに伝統の味がある。
(料理店の客)
「そういう料理は知らなかった。
発見だった。」
(フランス料理店 シェフ クリストフ・ポコさん)
「地方によって別々のスペシャリティがある。
自分の生まれたところの味
思い出をお客さんに伝えたい。」
地方の料理の特色を生み出しているのは地元の食材である。
ブルゴーニュ地方で180頭のヤギを飼っているミシェル・ラシャルヌさん。
ヤギの乳でつくる独特の風味があるチーズがこの地方の特産である。
(ミシェル・ラシャルヌさん)
「とても薄く切れる。
フォアグラのようでしょう。
とても繊細でなめらか。」
チーズの発酵にはゆっくりと時間をかける。
舌触りのよいチーズを作るため手間は惜しまない。
“地域の伝統を守っていくのは自分たちの責任だ”と言う。
(ミシェル・ラシャルヌさん)
「チーズは私たちの生活の一部で
この地域では“食の文化遺産”のようなもの。」
地域の食材を生かして作るフランス料理。
都内にある大使公邸の厨房では腕利きのシェフが本国から食材を取り寄せて晩餐会の支度中。
ブルターニュ地方のスズキは店頭的な一本釣り漁で獲ったもの。
肉料理は風味の良さが特徴のロワール地方の合鴨。
こうした食材がその地方ならではの味付けで仕上げられていく。
このグード・フランスの取り組みを来年以降も続けていきたいということである。
グード・フランスのイベントには今回世界中で10万人が参加してフランス料理を楽しんだ。