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原油安 ベネズエラを直撃

2015-03-18 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月8日 NHK海外ネットワーク


原油生産量が世界第7位の産油国である南米のベネズエラ。
その豊富な石油資源を基にした国づくりで貧困層の支持を集め
反米左派の急進的な言動でも知られたのがチャベス前大統領である。
亡くなってから2年になり首都のカラカスでは追悼集会も開かれた。
しかしそのチャベス氏亡き今
原油安に見まわれたベネズエラは経済的に苦境に立たされている。

ベネズエラではこのところ政府に抗議するデモが相次いでいる。
時には暴徒化した人々と警官隊が衝突する事態も。
2月末には西部の町でデモ隊に向け警察官が発砲し14歳の少年が巻き込まれて死亡した。
市民がデモに訴えるのは原油安によるインフレと物不足で生活を圧迫されているからである。
物価上昇率は去年実に70%近くとなった。
信じられないような値段で物が売られている。
コロンビア産の洗剤は1個7、500円。
国産品の20倍以上の値段である。
原油安は外貨不足を招き商品の輸入が難しくなっている。
多くの輸入品は品不足である。
カップ麺は1個5,000円。
中国製のほうきは1本5万円である。
(市民)
「死活問題だ。
 手に入らない薬がたくさんある。」
「この国はめちゃくちゃよ。」
高価な輸入品に庶民は手が出ない。
そこで政府が価格を安く統制している国産品を買おうと人々が列を作る。
しかし店内の棚は空っぽである。
国産品はすぐに売り切れてしまう。
あ目当ての品を探して店を何件もまわるのは当たり前。
安い砂糖を見つけ5キロもまとめ買いをした女性。
「1時間半並んだのよ。
 何件も店を回らないと必要なものがそろわないわ。」
原油の値下がりで国の歳入の大幅な落ち込みが見込まれるとして
ベネズエラ政府は国家財政の立て直しへ方針を打ち出した。
マドゥーロ大統領は自分自身も含め政権幹部の給与を削減すると発表。 
さらに友好国のロシアや中国を訪問し経済支援を訴えるなど現状打開に向けた協力を求めた。
そして政府は財源が不足しているとして公共交通機関の料金を見直すことにした。
3月からバス運賃の値上げに着手し
夏までには40%値上げする方針を打ち出した。
しかしさっそく反発が出ている。
首都カラカスでは20人ほどの市民がプラカードを掲げてバスターミナルに立ち値上げの撤回を訴えた。
(抗議行動の参加者)
「高級車に乗っている閣僚は私たちの声に耳を傾けるべきだ。」
(市民)
「ほとんどの人たちが影響を受けるだろう。
 とりわけ貧しい人たちは困るでしょう。」
「これ以上値上げされると高い給料でももらわないとやっていけない。」
オイルマネーに頼ってきた国家運営をすぐには変えられないベネズエラ。
先の見えない原油安で混乱はさらに深まろうとしている。

 


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