3月8日 NHK海外ネットワーク
アメリカ中西部カンザス州で暮らす主婦のシンディ・パリーさんは
東日本大震災のことをアメリカの人たちにもっと知ってもらおうと活動を続けている。
(シンディ・パリーさん)
「みなさんも9.11のテロの時テレビから目が離せなかったでしょう。
3月11日の東日本大震災も私にとって同じように大きな出来事でした。」
アメリカ人の父親と日本人の母親のもと日本で生まれたシンディさん。
小中学校の2年間は東京で過ごし
いまも大勢の親せきや友人が日本にいる。
東日本大震災が起きたときシンディさんの夫マークさんは仕事で大阪にいた。
すぐに電話で夫の無事を確認したシンディさん。
被害が大きいことを知り日本の新聞を持ち帰るよう頼んだ。
(シンディ・パリーさん)
「大震災のことが頭から離れなくなってしまった。
日本で生まれた私にとって日本は大切な場所ですから。」
想像を絶する震災が起きたことに衝撃を受けたシンディさん。
長年 続けてきたキルトで震災の恐ろしさを表現しようと考えた。
キルト1枚作るのに3か月かかるが震災後はふるさと日本への思いからキルトの創作に打ち込んだ。
「この作品では津波であらゆるものが破壊されたことを表現した。」
当時 自分が受けた衝撃の大きさを伝えようと
夫が日本から持ち帰った新聞の紙面を布にプリントした。
右下には津波に襲われた日本を見て嘆く女性。
暗く悲しい色合いで押し寄せる津波を表現した。
(シンディ・パリーさん)
「津波が来たとき人々は何を思ったのでしょうか。
あっという間に押し寄せた大きな波。
逃げることもできない・・・。」
キルトを作る地被災した人への思いがますます強くなっていったと言うシンディさん。
去年11月 初めて被災地を訪れた。
大きな被害を受けた陸前高田市や気仙沼市などを回った。
(シンディ・パリーさん)
「自分の目で見ないといけないと思ったのです。
1本の松が津波に負けずに『頑張ったよ』と立っている気がしました。」
シンディさんが復興への思いを込めて作ったのが作品は
陸前高田市の奇跡の1本松の力強さと
大船渡市に植えられた桜の木の話からアイデアを得た。
のぼっていく太陽と力強く咲く日本の花 桜。
新しい命が芽生える様子を現した。
シンディさんはこれまでに作ってきたキルトを通じてアメリカの人たちに震災のことを伝える活動を始めている。
(来場者)
「日本の大震災を知らない人に伝える良いきっかけになると思うわ。」
東日本大震災をモチーフにしたキルト。
シンディさんはこのキルトがアメリカと日本の架け橋になって
被災地への思いが広がってほしいと願っている。
(シンディ・パリーさん)
「日本が東北が復興することがどんなに大変か。
何年もかかることでしょう。
大震災を忘れてはいけない。
そのことをアメリカの人にもわかってもらいたいのです。」