日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

“融和アピール”北朝鮮の狙いを探る

2014-09-07 08:30:00 | 海外ネットワーク

8月31日 NHK海外ネットワーク


北朝鮮のキム・ジョンウン第一書記の体制は3年目に入る。
北朝鮮は弾道ミサイルの発射など挑発的な行動を続ける一方で
日本に対しては拉致問題など全面的な調査を約束している。
そうした日朝の関係改善に向けた動きの中で北朝鮮が共同での開催を受け入れたのが8月30日から始まったプロレス大会である。
国際プロレス大会が開かれたピョンヤン市内の体育館。
2万人が収容できるこの体育館には満員の観客が詰めかけた。
大会を呼びかけたのは長年北朝鮮とのスポーツ交流に取り組んできたアントニオ猪木参院議員。
(アントニオ猪木参院議員)
「日朝両国が“近くて遠い国”ではなく“近くて近い国”になるよう期待している。」
日本やアメリカ、フランスなどから約20人の選手が参加。
ピョンヤンの市民たちはめったに見られない大がかりなイベントに盛んな拍手と歓声を送っていた。
ピョンヤンを訪れた各国の選手たちは地元の子どもたちとも交流し打ち解けた雰囲気を作り出した。
核やミサイルの開発に対する国際的な非難が続くなか
融和的な姿勢を印象付けようとする北朝鮮の狙いがうかがえた。
大会に先立って北朝鮮側は外交に深くかかわってきた北朝鮮労働党のカン・ソクジュ書記と猪木氏との懇談を設定した。
カン書記は北朝鮮が拉致を認めた12年前の日朝首脳会談にも同席した幹部で
猪木氏とも拉致被害者の調査などについて意見を交わした。
キム・ジョンウン第一書記のもと北朝鮮の社会は今どうなっているのか。
最高指導者への忠誠心をはぐくむ思想教育は変わらない。
キム・ジョンウン第一書記の祖父キム・イルソン主席が生まれた家には
子どもたちが地方から訪れてキム第一書記につながる歴史を学ぶ。
「敬愛するキム・イルソン元師様の生い立ちがわかりました。」
思想教育に変化はない一方 キム・ジョンウン体制になってからの新しい動きは新しい娯楽施設の建設である。
去年の10月にオープンした大型のプールは連日大勢の市民でにぎわっている。
娯楽施設に資金を投入するのは
キム第一書記は親しみやすい指導者だというイメージを定着させ体制の求心力を高めたい思惑があるとみられる。
「毎日のように娯楽施設が増えているのでとてもうれしい。」 
市内のあちこちで高層アパートの建設が進められている。
キム第一書記が自ら指示しているとされ目に見える形での経済再建を意識しているように見える。
ただ急速な開発はひずみももたらしている。
今年5月 北朝鮮は“住宅建設現場で手抜き工事で重大な事故が発生した”と発表。
死傷者が出て担当の幹部らが住民たちに異例の謝罪を行ったことを明らかにした。
建設現場は多くの作業が人の手で行われインフラの整備も遅れているようである。
北朝鮮が日本との関係改善に動き出したのは
巨額の費用が必要な開発を進めるうえで日本からの経済協力が欠かせないためとみられる。
北朝鮮が日本に関心を寄せているのは開発の分野だけではない。
“キム・ジョンウン第一書記が指導した店”と書かれた看板の店には日本の食料品が置かれている。
制裁によって日本からの輸入が出来ないためこれらの品物は第三国経由で国内に入っているとみられる。
質の高い日本製の商品は市民に人気があるということで執行部は日本との貿易再開に期待を示している。
ピョンヤンの人たちは日本との関係改善に向けた動きをどう受け止めているのか。
「日朝関係改善の努力が行われていることは新聞でみてよく知っている。」
「国民は日本にあまりいい感情を持っていない。
 新しい時代に見合うように関係を改善してほしい。」

閉ざされた体質は変わっていないが
日本の一定の取材を認めたうえで日朝関係の親展の機運をたかめるねらいがあった。
日本との関係強化のねらいを読み解くキーワードがある。
挑戦速度という言葉である。
経済開発の加速化を呼びかける際に使われるスローガンである。
この挑戦速度について北朝鮮国営メディアはキム第一書記の指導のもと
火薬に火がついたように爆風のように電撃的に事業を進めること
と表現している。
そこまで経済開発を急ごうとしている背景には
今のキム・ジョンウン体制の求心力を盤石なものにするためには疲弊している経済の立て直しが欠かせないという事情もあるとみられる。
そして日朝関係の改善を通じて日本からの経済協力に道を開くことが大きなてこになりうると考えているようである。

 


コメント    この記事についてブログを書く
« glee シーズン4 Vol.... | トップ | 北朝鮮 対外姿勢に変化 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

海外ネットワーク」カテゴリの最新記事