12月12日 キャッチ!ワールドEYES
中国系の老舗旅行会社が企画したツアーにこの日参加したのは合わせて250人。
その多くが中国からの観光客である。
映画の都ハリウッド。
歴史ある映画館やセレブの名前が刻まれた歩道などがあるロサンゼルスは
中国人旅行者にとってアメリカで人気ナンバーワンの観光地である。
去年は過去最多の106万人が訪れた。
(中国人旅行者)
「大国のアメリカにあこがれていました。
どんな所か見てみたかったのです。」
ところがいま異変が起きている。
2018年の5~9月にアメリカを訪れた中国人は2017年の同じ期間と比べ13%減ったのである。
この旅行会社でも今年の春以降
中国人の利用者は2017年と比べ毎月40%も減少している。
背景にあるのは
巨額の貿易赤字の解消を目指すアメリカの中国に対する厳しい政策である。
(トランプ大統領)
「中国は何年もの間アメリカを食い物にしてきた。」
こうしたトランプ政権の強硬姿勢を受けてか
中国政府が国民にアメリア行きをあまり推奨しなくなったことが
中国人旅行者の減少につながったと旅行会社は見ている。
(美国亜州旅行会社)
「中国人旅行者はこのところ劇的に減っています。
中国とアメリカの外交上の問題が何か関係しているのだと思います。」
アメリカを2017年に訪れた外国人7,760万人のうち
中国人は300万人。
その割合はわずか4%だが
観光業界が心配しているのは中国人旅行者の爆買いの減少である。
中国人の旅行者は滞在期間が長いこともあり
アメリカ国内で1人あたり6,900ドル(約80万円)を使う。
日本人 約50万円
イギリス人 約37万円
フランス人 約39万円
韓国人 約36万円
これは日本人らの旅行者と比べて圧倒的に多い金額である。
中国人旅行者が2017年アメリカに落としたお金は
合わせて331億ドル(約3兆7,000億円)と日本人の約2倍にのぼる。
そのためロサンゼルスの観光局は米中関係の推移を注意深く見ている。
(ロサンゼルス観光局)
「中国では旅行の行き先を決めるとき
その国が好意的にみられるかが大切です。
ですから米中関係を注意深く見守っています。」
そんななか米中の摩擦を横目にいま積極的に中国人旅行者を誘致しているのがカナダである。
カナダの観光局が製作したPR動画。
カナダ政府は2018年を中国人観光客を重点的に誘致する年して
雄大な自然を満喫できる体験やグルメをアピールしている。
美しい山に囲まれ去年30万人の中国人旅行者が訪れた西部のバンクーバーは
2018年 中国のIT企業テンセントと提携。
中国人を中心に10億人以上が使う中国のSNS「ウィーチャット」を使って
中国語のアプリを開発した。
(バンクーバー観光協会)
「中国の富裕層のカナダ旅行は増えています。
目的は美しい自然や健康的な体験です。」
バンクーバーにある中国語の語学学校では地元の観光関係者の申し込みが増えているという。
(中国語学校 マネージャー)
「カナダを訪れる中国人留学生や旅行者が増えているので
中国語ができればビジネスで大きなメリットになります。」
エステ店では中国語を話せるスタッフを配置。
さらにウィーチャットをフル活用して
富裕層の中国人の来店を毎月増やしている。
(エステ店 店長)
「ウィーチャットのおかげで順調です。
サービスが良ければ友人なども連れてきてくれます。
未来は明るいと思います。」