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スコットランド 独立を問う住民投票へ

2014-09-01 07:15:00 | 海外ネットワーク

8月24日 NHK海外ネットワーク


スコットランド イングランド ウェールズ 北アイルランド
イギリスは4つの地域で構成されている。
そのひとつ スコットランドで9月18日 独立への賛否を問う住民投票が行われる。
独自の文化を持つスコットランドの人たちの間には歴史的にイングランドに対する根強い対抗心がある。
そしてイギリス政府の政策はイングランド寄りで
スコットランドはこれまで雇用など経済の面で不利な立場に置かれてきたというのが独立に賛成する人たちの主張である。

エディンバラ城を拠点にした王国がイングランドに併合されてから約300年。
今スコットランドで独立の機運が高まっている。
住民投票を前に独立賛成派の人たちは草の根の運動を展開している。
1件1件住宅を訪ね独立支持を呼びかける。
独立賛成派のひとり ポール・リンスターさん。
いまはパートタイムの仕事を続けている。
友人の多くは地元では職がないとロンドンなどへ出て行った。
独立で地元の雇用を重視する政策が行われれば仕事のチャンスが増えるのでは
と期待している。
(独立に賛成 ポール・リンスターさん)
「イギリス政府はロンドンやイングランド南西部の利益優先で政策を決めている。 
 スコットランドが独立してできる政府はスコットランドの人に選ばれ
 自分たちの富を分配するから信頼できるはずだ。」
独立を目指す運動の転機は
1998年 地方分権を求める声を受けて議会が復活したことだった。
3年前には議会でスコットランド民族党が初めて過半数を獲得。
党首のサモンド氏は独立の賛否を問う住民投票を実施する方針を打ち出した。
独立賛成派がよりどころとしているのが北海油田の存在である。
スコットランド沖に9割が集中。
その税収を自前の財源にすることでスコットランドの経済的自立につなげようというのである。
独立派の主張を受けイギリスのキャメロン首相は地元の民意に従うとして住民投票の実施に合意。
当時は独立への支持は広がらないとの判断があったとみられるが独立派は勢いを増していった。
(スコットランド民族党 サモンド党首)
「私たちが支持ずる政策を実行するために
 私たちの国 私たちのスコットランド 私たちのための独立を。」
住民投票で賛成が多数となればスコットランドはイギリス政府との協議を経て1年半後に独立する方針である。
しかし独立を巡ってイギリス政府はいくつもの大きな課題があると指摘している。
その一つが防衛問題。
独立派は核ミサイルを搭載する原子力潜水艦のスコットランドへの配備に反対しているが
イギリス政府は軍事力の低下につながるとけん制を強めている。
また通貨については独立派がポンドを継続して使用する方針を示しているのに対し
それは認めないとしている。
(イギリス オズボーン財務相)
「独立後のスコットランドと通貨を共有する法的理由はない。」
イギリスのメディアは著名人の意見を次々に掲載。
映画俳優のショーン・コネリーさんは賛成。
将来に明るい展望が開けると主張している。
小説“ハリー・ポッター”の作者J・K・ローリングさんは反対。 
グローバル化の中イギリスにとどまる方が良いとの主張である。
まさに国民を二分した議論になっている。
独立反対派も最後の追い込みで住民への説得に力を入れている。
(独立に反対)
「イギリスにとどまったほうが資源国として国際的影響力も強い。」
「イギリスの国力と安全保障の後ろ盾があるから独立に反対の人が多い。」
独立反対の意見が目立つのがビジネス界である。
コンタクトレンズの製造・販売会社を経営するロン・ハミルトンさん。
売り上げは年間20億円近く。
その大半はスコットランド以外の市場向けである。
独立した場合に安定した通貨であるポンドが使えなくなれば経済的リスクが高まると心配している。
ハミルトンさんは万が一独立することになった場合にそなえ会社の口座をポンドを確実に使い続けられるロンドンの銀行に移した。
(独立に反対 ロン・ハミルトンさん)
「通貨や税制の行方が不確かだ。
 独立したら非常に不安定な中でビジネスを行わなくてはならない。
 イギリスにとどまるのが最善の選択だと思う。」
8月 独立運動を主導してきたサモンド党首と独立反対派の代表との間で初めてのテレビ討論が行われた。
(独立反対派)
「スコットランドの通貨はどうなるのか。
 子どもでもわかるように説明してください。」
(独立賛成派 スコットランド民族党 サモンド党首)
「もちろんポンドだ。
 ポンドはイングランドとスコットランド共通のものだ。」
(独立反対派)
「あなたは独立しても通貨は同じにしたいと言うが
 離婚後も同じ銀行口座を使い続けるようなものだ。」
一連の討論を聞いたハミルトンさんは独立にメリットはないと自信を深めた。
(独立に反対 ロン・ハミルトンさん)
「前にも聞いた話ばかりで新しいものは何もなかった。
 独立しなければならない理由は何もない。
 独立はリスクが大きすぎる。」


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